猫まっしぐら
ワタクシの名はサマンサ、スコティッシュフォールドのメスよ。
今ワタクシは、最近お気に入りの壺の中に入り顔だけ上に向けて出していますわ。
「おーい、サマンサー」
あら、カイル君が呼んでいますわね、何事かしら?
ワタクシは壺から這い出ますと、カイル君の元へと向かいますのよ。
「あ、サマンサ! さっき銀龍酒家のお姉さんにこれ貰ったんだ!」
カイル君が嬉しそうに何かを見せてきましたの。
‥‥‥え、これは!
「ルーニアお姉さん猫が凄い好きらしくて、猫用の服を沢山作ってるんだって! 学校の友達のネイアちゃんに教えて貰ったんだよ」
目の前には猫用の洋服やパジャマ、ドレスや華やかな首輪が姿を見せましたの。
素敵ですわ! ワタクシいつも裸で実は恥ずかしかったのですよ、カイル君大好きですわ!
カイル君にすり寄ってスリスリしますわ。
「あはは、サマンサが喜んでくれたみたいで嬉しいよ」
これは、後程配下の猫達にお披露目しなくてはなりませんわ。
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「どうしたんだよ姉さん、綺麗にめかし込んで」
ワタクシが城へと来ると、シンガプーラ種のしなやかな白毛の猫、ナイフがワタクシの格好を見て目を輝かせてきましたわ。
「ナイフ、後でワタクシの家に来なさい、貴女、女の子何ですからお洒落くらいは楽しみなさいな」
ワタクシの友達として連れて行けば優しいカイル君の事です、ナイフの洋服も見繕ってくれるはずですわ。
「何だよ何だよ、俺達は仲間はずれかよ姉さん!」
ゴンタがそう言いながら歩いてきて、後ろからはブックとレイダーもついてきましたわね。
「仕方ありませんわね‥‥‥皆ついてきなさい、皆をカイル君に紹介しますわ」
「やったぜ!」
ゴンタが大喜びで跳び跳ねて、後ろのブックとレイダーはやれやれと言いながらそれを見ていましたの。
さて、それでは一度この子達を連れて帰宅しますわよ。