第一部隊 VS 完殺のアポロ
遂にワタクシ達はクリムゾンキングダムへと突撃しましたわ。
其々が東西南北から同時に攻め、其々が待ち受けていた敵部隊と出会いましたの。
第一部隊のゴンタ、ブック、ナイフは異様な猫兵達と邂逅していましたのよ。
「‥‥‥来たか」
金色のローブを身に纏うツシマヤマネコのオスがそう呟きましたわ。
「ゴンタ、ナイフ、左右に分かれて下さい、吾輩は正面から行きますぞ」
後方から着いてきていたもっふもっふ団は、いきなり左右から現れた黒づくめのローブを着た猫兵達と既に戦闘に入っておりましたわ。
「【深淵の知将】ブックか、貴様の勇名は聞き覚えがある」
ツシマヤマネコのオスがブックを見据えながら言いましたわ。
「【完殺】のアポロ、御主の名声もこの国に鳴り響いておりますぞ」
そう言ってブックが眼鏡を押し上げましたの。
「またの名を【ディアボロ】、目的の為なら一般のメス猫だろうと子猫だろうと惨殺する悪魔、でしたかな」
その言葉にニヤリと笑うアポロ。
「左右の二匹は【任侠】のゴンタに【ジャック・ナイフ】か‥‥‥」
ゴンタとナイフを見ながら呟きますのよ。
「貴様等の鳴き声はさぞかし甘美な響きになるだろう」
アポロが戦闘体勢に入りましたの。
そのアポロから吹き出した覇気は、覚醒したバサラに匹敵する程に禍々しいモノでしたわ。
「くっ! なんじゃいコイツの気迫は!」
ゴンタが冷や汗を流しながら叫びましたのよ。
「コイツ、あのバサラ並に悪意の塊なのかよ!」
覚醒したバサラを見ていたナイフも恐怖を圧し殺して、何とか戦闘体勢を維持していますわ。
「話に聞いていた【覚醒者】なのやも知れませんな、いやはや‥‥‥」
ブックが珍しく冷や汗を流しますの。
「さあ、この俺の為に死の舞踏を踊ってくれよ、雑魚共」
バルバロッサの左手【完殺のアポロ】のベールが今解き放たれようとしていましたわ。




