クリムゾンナイツの暗部
ワタクシとホルスが背中合わせに伐叉羅隊に向き合いますの。
漆黒の伐叉羅隊達がワタクシ達に向かい襲い掛かりましたわ。
ワタクシはその攻撃をかわしたつもりでしたが、右腕から血が出てきましたの。
「かわした筈ですのに!」
「サマンサ、奴等の前足を良く見てみろ」
ホルスに言われてワタクシは伐叉羅隊の腕を凝視しましたの。
彼等の前足には、爪先に鋭い刃物がついている肉球まで覆われる足袋を履いていましたのよ。
「暗殺部隊【伐叉羅隊】‥‥‥奴等は裏の仕事を専門に受けてきたクリムゾンナイツの暗部、殺猫マシーンだ」
ホルスの説明に併せたかの様に、バサラが離れた位置からワタクシ達に話しかけてきましたわ。
「‥‥‥ホルス、私達伐叉羅一族は貴様等甘ちゃん共とは違うんだよ、一族の悲願、その重さを知れ」
バサラが目を光らせ、私達に躍りかかって来ましたわ。
「伐叉羅奥義【羅刹陣・滅】」
バサラの言葉に、上下左右全方位から伐叉羅隊が一斉に襲いかかってきますの。
「サマンサ! しゃがんでいろ!」
ホルスの叫びに反応してワタクシはしゃがみこみましたの。
「鳳凰無限腕!」
ホルスが自分の前方に前足から迸るオーラの塊をぶつけて吹き飛ばしましたわ。
「行けサマンサ、コイツ等の足止めはしてやる」
ホルスがそう言いますわ。
「貴方は?」
「言っただろう、お前は俺が倒すと‥‥‥決着をつけるまで死ぬつもりは無い」
ワタクシは少し迷いましたが、小さく頷くと背を見せて走り出しましたの。
途中振り向いて声を掛けましたわ。
「御武運を」
早く仲間達を集めて助けに戻らなくてはですわ!




