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伐叉羅隊

 エルピス首都の一角、皇帝バルバロッサの拠点で四天王の一人バサラと皇帝バルバロッサが向かい合っておりましたの。


 バサラはバルバロッサに向かって頭を垂れながら発言しますわ。


「バルバロッサ様、もっふもっふ団に紛れ込ませている間者からの報告で、奴等は爆犬団と合併したそうです」


 バサラの報告にバルバロッサが眉を潜めていましたら、部屋の入り口から一匹のブラッドハウンドが入ってきましたの。


「バサラ殿、主は四天王やホルス殿まで使いながら相手の大将首を討ち取れないらしいのう」


「信犬殿か‥‥‥あれは私のせいではありませんよ」


 バサラの答えを聞いて信犬が鼻で笑いましたわ。


「では、貴公がおもむけば風向きが変わるのかね、バサラ殿?」


 部屋中に響き渡る程の大声で笑う信犬が、ふと笑う事を止めてバサラを無表情で見ましたわ。


「無理だな、今や奴等には犬信リリィがついておる、四天王のお主が一匹いた所で勝ち目は無かろう」


 信犬の言葉に小さく呻いて、覚悟を決めた表情をしたバサラがバルバロッサに顔を向けて話しますのよ。


「バルバロッサ様、伐叉羅衆を集結させる許可を頂きたい」


 バルバロッサの表情が少しだけ動きましたわ。


「あのならず者達か‥‥‥貴様の小飼の兵でありながら、手に負えぬと言っておったな」


 その言葉を聞いて一瞬悩んだ素振りを見せた後、再びバサラが口を開きましたの。


「三代目伐叉羅を継いだ私の言う事を何としても聞かせます、そこでバルバロッサ様にお願いがあります」


 バルバロッサは、申してみよとバサラに言いましたわ。


「もしもっふもっふ団を壊滅に追い込めた暁には、我等が故郷、バサラ街の自治権を頂きたい」


 四天王のバサラが、その野望の為に自ら動き始めたのですわ。

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