集結、もっふもっふ団
ワタクシはゴンタを伝令に走らせて城の土管で日向ぼっこをしつつ眠っておりました。
「姉さん姉さん! 団員そろいましたぜ!」
ゴンタの言葉に目を覚まし、土管から見下ろすともっふもっふ団の勇猛なる戦士達が綺麗に並んでおりますわ。
「ごくろうさまゴンタ、軍師のブックは来てるかしら?」
「レディ・サマンサ、我輩ならここに」
いつの間にかワタクシの横で腹を見せて、ゴロゴロしながら忠誠の礼をとっていたブックが返事を返しましたわ。
「ブック、礼はもう良いので現状を教えて貰えるかしら?」
このブック、シャム猫でして中々の策略家の猫なのですわ。
ワタクシがこの街【ロックモール】を制圧する時に一番苦戦させら猫でしたが、今ではワタクシの良き右腕となってましてよ。
「はっ、どうやら相手は最近勢力を伸ばしているエルピス国王都の巨大ファミリー【クリムゾン・ナイツ】の尖兵の様です、レディ」
クリムゾン・ナイツ‥‥‥聞き覚えがありますわね。
確か最近新興国として出来たエルピス国で拠点を構え、爆発的に勢力を伸ばしているとか。
因みに、ロックモールはエルピス王都のすぐ隣り合わせにある街ですわよ、王都の下町みたいなモノですわね。
「相手の戦力は?」
「およそ百匹は下らないかと‥‥‥」
ワタクシ達の倍の兵力ですわね。
‥‥‥高々百匹でワタクシを倒せると、本気で思っているのですかレイダー?
「‥‥‥百匹程度、ワタクシ達もっふもっふ団の敵ではありませんことよ! 皆様開戦ですわ!」
ワタクシの鳴き声に、もっふもっふ団は一斉に気合いの鳴き声を挙げましたのよ。
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ワタクシ達が鳴き声をあげていた時、エルピス首都の一角でレイダーが巨大な影に向かい膝をついていましたの。
「レイダー、負ける事は許さんぞ」
巨大な影の言葉に、レイダーは頭を下げましたわ。
「はっ、必ず‥‥‥」
レイダーと巨大な影は微動だにせず向かい合っておりましたのよ。