奴の名はレイダー
今ワタクシは、お気に入りの窓の腰窓の窓台部分に寝そべり、眩しい朝日に目を覚ましましたわ。
窓の外を目を細目ながら眺めていると、何やら外で黒い物体が横切りましたわ。
立ち止まった黒い物体は、良く見れば虎柄のしなやかな姿態をした、まるで獲物を狙うハンターの様な威風をした【オセロット】ですわね。
「‥‥‥お前が今この街で一番強いと言われるスコティッシュフォールドのサマンサか?」
オセロットの雄が聞いてきたしたわよ。
「ええそうよ、ワタクシがこの街を治めるボス、サマンサですわ」
ワタクシが名乗った瞬間、窓を隔てた向こう側からオセロットの雄が凄まじい殺気を放ってきましたの。
「ふ、餓鬼がこの街のボスとは‥‥‥このレイダー様が出るまでもあるまい」
そう言って見下した笑みを浮かべて一声鳴きましたの。
「‥‥‥生まれが知れる話し方ですわね、庶民のオセロットの分際で」
ワタクシが皮肉を返すと、レイダーは鋭い視線で睨んできましたわね。
「今日の所は顔見せだ、これからこの街は我等【ブラッディキャット団】が支配する、貴様等【もっふもっふ団】は解散するんだな」
そう言って走り去るレイダー。
ブラッディキャットだか何だか知りませんが、ワタクシの街で好き勝手はさせません事よ?
ワタクシは静かに闘志を燃やしました。
「サマンサー、ご飯だよー」
カイル君の声に、ワタクシの中に眠る本能が先程までのレイダーとのやり取りを忘れさせて走らせますわ。
ご飯だニャッ!