クリムゾンナイツ一番目の刺客、スラッシャー・ジョニー
ワタクシはサマンサ、巷では最近【白銀の乙女】等と呼ばれているスコティッシュフォールドのメスよ。
今日はブックの主人がワタクシ達の城に最近噂の【猫大歓喜! キング猫フード詰め合わせ】を持ってきてくれたので、皆で食してますのよ?
「それにしても、ブックの主人のルシア様‥‥‥あの方は只者ではありませんですわね?」
ワタクシはあのルシア様の隠されている覇気を敏感に感じとりブックに尋ねましたの。
「さすがレディですな、確かに我輩の主人は十二カ国連合と呼ばれる地の八極星と呼ばれる剛の者です、正面から戦えばレディ・サマンサとて苦戦は必死と‥‥‥」
やはり感じた覇気は間違えありませんでしたわね、人間の世もまだまだ強者が居そうですわ。
そのように世間話をしながら猫フードを食していましたら、ワタクシの横に紙を巻いた竹串が刺さりましたの。
「だ、誰だぁ!」
ワタクシの向かいで食していましたゴンタが叫びましたが、屋根に居た猫影はすぐに消えてしまいましたのよ。
「失礼しますレディ・サマンサ‥‥‥こ、これは!」
竹串に付いていた紙を広げて足跡で書かれた猫語を見たブックが驚いていますわね?
「レディ、クリムゾンナイツの四天王【スラッシャー・ジョニー】からの挑戦状です」
そう言ってワタクシに挑戦状を見せますの。
「ついに動き出しましたわね、クリムゾンナイツ」
元クリムゾンナイツのレイダー、レイン、ワタクシの妹分のナイフが心配そうに近付いて来ましたのよ。
問題ありませんわよ皆様、ワタクシが必ずクリムゾンナイツの野望を打ち砕きますわ!
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クリムゾンナイツの拠点、デスパレスの謁見の間で巨大な猫、皇帝バルバロッサが隣に控える猫に話しかけましたわ。
「ソドム、スラッシャー・ジョニーが動いた様だが」
ソドムと呼ばれた猫が、バルバロッサに向き直り答えますの。
「私の命令ではありません、奴が勝手に動きました」
バルバロッサは少し考える素振りを見せて、ソドムに向けて言葉を放ちますわ。
「そうか、ならば好きにさせておけ」
何を考えているか読み取れない表情でバルバロッサは言い放ちましたのよ。




