ワタクシ、決闘しますわ
あの後、レイダーから話を聞いて事の成り行きをききましたの。
はあ、仕方ありませんわね。
次の日、ワタクシは一人て城の土管の上でレインさんをお待ちしましたわ。
ワタクシが飽きてきて蝶を相手に戯れていましたら、ようやくレインさんが現れましたの。
「待たせたわねサマンサ、いざ尋常に‥‥‥」
「お待ちなさいレインさん、その前に貴女に聞きたい事がありますのよ?」
ワタクシが待ったを掛けると、レインさんが緊張した顔で戦闘体制を解除しましたのよ。
「何ですかサマンサ?」
「ハッキリと聞きますわね、貴女‥‥‥レイダーの事が好きなのでしょう?」
ワタクシがそう聞くと、レインさんが顔を真っ赤にして慌て始めましたわ。
「ニャッ! ニャにをいきなり言うんだ! 私があんな鈍感で乙女心をまったく理解しない僕念仁の万年独身男の事など‥‥‥たまにカッコよかったり優しかったり笑うと可愛かったりするけど‥‥‥」
何故かボロクソに貶した後に謎のフォローをしていますが、これで確定ですわね。
ワタクシ、こう見えて他人の色恋には敏感なのですよ?
「レインさん、ワタクシが貴方の恋を手伝ってさしあげますわ」
「えっ?」
ーーーーー
「初めまして皆さん!今日からもっふもっふ団でサマンサ様の近衛猫になりましたレインです! よろしくお願いします!」
宜しくてよレインさん、素晴らしい挨拶ですわよ。
「あ、主人? 何がどうなったらこうなるのですか?」
貴方が鈍感だからこうなったのですよ、レイダー?
ワタクシは、レインさんの恋を応援する為に、レイダーの側に居れる様にともっふもっふ団へレインさんを引き抜きましたの。
おや、レインさんがワタクシを見て笑顔を見せましたね。
ワタクシもレインさんに優雅に微笑んで差し上げましたのよ。




