野望
人里離れた山奥にある研究所で、全長20メートルを越える巨大なロボットを前に、博士は言った。
「やっと完成したぞ。こいつさえあれば世界征服も夢ではない。私の事を散々バカにした奴等め、目に物を見せてくれる」
いわゆるマッドサイエンティストである彼は、自分の功績を認めない世を恨んでいた。
証拠も残さず完璧に相手を殺す装置、殺意を増幅させる薬等々、博士にとって、今までの発明は世に認められて当然であったが、世間はそれを良しとはしなかった。
「何故私は認められない。私は正しい。こんな世がおかしいのだ。それならばいっそ全てを破壊し、私の想い描く理想的な世界に創り替えてやろう…」
そんな逆恨みとも言える想いから、博士は研究に取り組み、ロボットを完成させたのだった。
博士はさっそくロボットに命じた。
「世界征服の第一歩だ。ロボットよ、この世のバカな人間共を根絶やしにして来い!!」
巨大ロボットは命令に従い、手始めに人間である博士を踏み潰した。