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掌編小説集4 (151話~200話)

新手の幽霊

作者: 蹴沢缶九郎

アパートに引っ越した初日の夜、突然部屋にパンダの幽霊が現れた。パンダの幽霊は笹の葉をムシャムシャと食べ続け、朝方になると消えていなくなった。


次の日の夜はコアラの幽霊が現れ、何をするでもなく部屋の中を歩き回り、朝方になるとパンダの幽霊同様消えていなくなった。


三日目ともなるとさすがに慣れてきて、「今日はどんな幽霊が現れるのか」とちょっとした楽しみになっていた。そして現れたのはリスの幽霊。その小ささに気付くのが遅れたが、まあすばしっこく部屋中をウロチョロしていて、やがて消えていった。


僕の楽しみはその日で終わり、四日目は小汚ないおっさんが現れ、五日目におっさんの説法が始まり、六日目のおっさんの新興宗教の勧誘で、僕は七日目に引っ越しを決めた。

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