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はい、お菓子やざぁ  作者: クレヨン
六月始め
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 第三話 迷惑な結婚式



 『今度、会おうか。

 場所は県立美術館、早苗さんと会ってから具合が良好なんや。

 少し話しようや。

 食べるもの、行動範囲は限られてるけど、そこは堪忍やでな。』



 孝典さんからの、メールに私は浮かれてる。

 だって、デートやデート!

 孝典さん、今は自宅療養らしく、時間はたっぷりあるらしいやって。

 とは言うても、なかなか会える人やない。

 ……身分の違いって言うたら、時代遅れやろか

 松浦さんは地元でも有名な、松浦商事の人や。

 今までメールして来て、孝典さんがいろいろと教えてくれたわ。

 今は、孝典さんの仲まで来たぁ。

 ……ただな、身体の具合のことは、少し心配なんや

 メールしても、どこか省らかせられているんや。

 孝典さん、私が思うより、大きな病気なんかもしれんのかぁ?

 「早苗、店番頼むで」

 オカンがなんか言ってるわ。

 まあ、ええけど。

 

 《午後》


 六月の半ば、雨ばっかり降っとるわ。

 まあ梅雨やもん、しゃあないわ。

 雨は憂鬱になるって。

 おや? 店の外に一台のクルマが止まったわ。

 おいおい、駐車場に止めや。

 クルマから出てきたのは……ん? どこか見覚えがあるんやわ。

 それと、おっさんがいる。

 お客さん二人や。

 あっ、店に入ってくるざ!

 「スミマセン、あの……」 

 「お前、桜井かぁ!」

 おっさん喋っているのを、遮るように見覚えのある男は言うたわ。

 男は私の同級生で、多分同じクラスメートやった山下やな。

 「確か、山下やろ? どうしたんや?」

 私は呆れ声で、言うたったわ。

 おっさんはオトンやろな。 

 つまり、保護者同伴や。 

 アンタなぁ……

 「今から十日後に、万寿、千五百個ほしいんや」

 喋ったのは、オトンの方や……って! えー万寿千五百個やってかぁ!

 「カネは糸目つけんわ」

 オトンが、続けて言うし。

 「ちょっと、待って下さいね」

 こんなん、私一人判断出来んわ。 

 まさか、こんな時期に万寿まくんかぁ!


 

                   

 




 

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