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はい、お菓子やざぁ  作者: クレヨン
二月 まだまだ寒い 
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 「さて、こちらのチームは、高塚屋さんと さくらい さんの和菓子屋です。あらー、お綺麗なお二人さん。親子ですか?」

 「違いますざ、私は高塚屋の人間で、こちらの美人は さくらい さんの代表やって」

 女将さんが、軽く紹介してくれた。

 美人……世辞でも嬉しいなあ

 「知ってますよ! お菓子屋二つありますやん! 親子は違うことくらい。お綺麗な二人は……私、悔しいですう」

 アナンサーが、泣くフリしとる……

 女将さんは、笑いながら汗掻いとるんや。

 そう見えるざ。

 私は汗はない。

 どこか寒いって。

 確か今日の夜は、寒いらしいけど……

 「はい、そこね美人さん、今回の意気込みをお聞かせ下さい」

 アナンサーが、いきなり私に振ったざ!

 「え、え、あっ、はい! 頑張ります」

 目を白黒させながら。私は言うた。

 いきなりは、止めてや! もう!

 「美人さん、上がってますなあ」

 アナンサーに、変な顔されとる。

 なんか、ええシーンが撮れた……みたいな顔やざ

 「さて、本題にいきますね。こちらは福井で、大きな和菓子屋さんで高塚屋さんと、福井のどこにでもある小さくて、それでいて活気あるお店、さくらい さんの合同チームでーす」

 どこにでもある小さな店って……当たりやけど、当てんで欲しかったって。

 「こんばんは! 高塚屋です。今日は高塚屋と さくらい さんで試行錯誤しながら創った羊羹がどこまで評価が貰えるか楽しみにしています」

 女将さんがそう言うと、私を見た。

 私の一言かあ

 「こんばんは、対決に勝ちたいと思います。大名閣さんは大きいし歴史もあるけど、負けない! そう信じてます」

 気合を入れて、言うたざ。

 「あらー、美人は絵になるわあ」

 オイオイ、あんたなあ。

 「大名閣さん、ビジュアルで高塚屋さんらに後手ふみました」

 大名閣の近くにいた、アナンサーが泣き真似しながら言うとるざ。

 オッサン、少しだけ同情したるでの。

 「さて、今回の対決ですが、三百本の羊羹……水羊羹を町の人、駅の人に食べて貰い、美味しいと思ったほうに、一票入れていきます。場所は三カ所にありまして、どこに配置したかはここにいる両陣営にはわかりません! わかっちゃったら、サクラが冬に満開になるますし!」

 アナンサーさん、捻ったつもりか?

 素直に「サクラ防止のため」と言ったほうがええざ。

 「アハハ……さて、この辺りで報道フロアーから福井の今日のニュースをお伝えいたします。それでは、お願いしまーす」

 そう言うと、西口にいるアナンサーら、スタッフさんらがホッとしているざ。

 「すみません、疲れるノリで」

 アナンサーらが、マジメになった。

 ……大変なんやなぁ

 私は苦笑いしてるんやって。


 



 

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