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ーテラーヌ湾道中ー
ガリラア村からテラーヌ湾に向かって歩く俺達。
ここら辺は北に畑作地帯、その近くに流れるカートン川、そして南にカートン山脈と、自然にあふれている。
「南の方に一つだけ山肌が出てる山があるけど、あれ何なの?」
マミが山の方を見ながら訊ねた。
「あれはガンキス山っていうんだ」
「へぇ、結構ツバサって物知りなのね」
「そりゃ、宝石加工職人だし。当然だよ」
カートン山脈の中でも、ガンキス山は鉱石が最も豊富な事で有名だ。
「それなら、俺も知ってるぜ。あそこに神銀があるらしいからな」
神銀とは、鉱石一丈夫でとても貴重な鉱石のこと。
防具にも武器にも農具にも、何にでも使える為、世界中で重宝されている。
「まあでも、神銀を加工するには、国の許可が必要なんだぜー」
まだ俺は持ってねーが……。
「早く行こうぜーもたもたしてると置いてくぞー」
ツバサのせっかちな性格は今日も相変わらずだ。
「あれ? ペンペンじゃん、どうしたこんなとこで?」
後ろの方で誰かの声が聞こえた。
銀色の髪、派手なアクセサリー、渋い声……。
「……あ」
「トーラスさんじゃないですか! 何してるんですか?」
トーラスさんは俺達のグループの先輩で、グループの中では五本指に入る実力者だ。
「ああ、ちょっと仕事でなー、お前達こそなにしてんだ?」
「私達ガリラア村からの帰りで、今からテラーヌ湾沿いの道に行くんです」
「テラーヌ湾に行くのか……?」
先輩の表情が一瞬曇った気がした。
「どうしたんすか先輩?」
ツバサも気づいたらしい。
「え?いやっ何でもねえ……お前達テラーヌ湾に行くなら、絶対夜に出歩くなよ」
「へ?何で……、」
「絶対にだ! 分かったか!」
「はっはい……分かりました」
いきなり先輩が強く言ったからかツバサは少し驚いていた。
「おかしいです……」
「うん……確かにおかしいわね……」
「確かに先輩なんであんな髪跳ねてるんでしょうか?」
「いっいや、確かに先輩の髪凄い跳ねてたけど、今疑問に思うのはそこじゃないからね? もっとこう……あるでしょ? なんか引っかかる所が」
「ルーサスって結構あほなんだな」
……いや天然か。




