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俺たちは、その犬の言った一言に大きな衝撃を受けた。なぜならその犬は、
皆さん吸血鬼と戦ってくれたんですか!?と言ったのだ。
今までこの犬は敵の仲間とばかり考えていたから、というのももちろんあったが、何より喋るとは思わなかったのである。
「君って吸血鬼の仲間じゃなかったの?」
マミは、なぜだろうかとっても嬉しそうだ。
「吸血鬼の仲間⁉そんなこと絶対ないです!自分は吸血鬼の敵ですよ!」
犬の声がさっきより大きくなっている。
「じゃあ、何で街の人を襲ったりしてたんだ?街の皆はお前のこと吸血鬼のグルだって噂してたぞ?」
「それは……ある探し物をしてたんです」
犬は目線を落とし、うつむいた。
「探し物?どんな?」
今のはマミの言葉。
「……コントローラーです。吸血鬼が自分……いや、吸血鬼の血が混ざっている動物を操るための。……やっと逃げ出せると思ったのに」
「グギャアアアアアアア!」
吸血鬼が再び目を覚ましたようだ。
今の俺では、さすがに吸血鬼ともなると一撃では倒せない。せいぜい擦り傷くらいだろう。
「そんなものがあったなんて……、ルーサス達の事もあるし、私があいつを倒してやろうじゃない!」
「いいえ、これは自分の責任です。自分の問題くらい、自分でなんとかします!」
「……皆で協力すればいいだろうが」
「グガガガガガ!」
吸血鬼がこちらへ向かって来ている。
正体不明のこの犬も戦うつもりらしいし、四対一だ。相手が吸血鬼だろうが勝てる可能性は十分ある。ツバサとマミは戦いになると周りが見えなくなるため、俺がルーサスと女の子がいるベンチを守らなくてはならない。
俺だって戦いは好きだから戦うが。
「まずは私!風魔法 弐斬句 ウィンドカッター!」
マミの手から無数の風の鎌が飛び出す
「こっちもだぜ!吸血鬼!草魔法!弐波句 グローラン!」
吸血鬼がマミに気をとられてる中、ツバサが背中を衝撃波で攻撃した。
「ここで絶対倒します!これ以上操られたくないんです!」
ファイアーボール五連撃、と言い、口から火の玉を出した。
この犬本当に何者なんだ……、口から火を吹いたんだが。
「こっちだ吸血鬼!雷魔法、壱静句 サンダー」
これは不意打ちだったらしい。防御も出来ずそのまま直撃した。
……ざまあみろ。
今は、吸血鬼の前 (道路側)に犬、後ろ(ステージ側)に俺とルーサス、女の子。そして左右にツバサとマミが、という形でバラけている。吸血鬼が向いているのは犬の方、隙を作りたいのか、二人は攻撃を繰り返している。
「ちょっ、バカか!ベンチの方に攻撃するな!」
「ごめんー、流れ弾だよ。そうゆうのはテットが防いどいて」
何で俺が……。
「はあ……」
「グギャアアアアア!」
「こいつどんだけ固いのよ!傷一つつかないじゃない!」
怪物のなかでも上位にいる吸血鬼だ、やはり強い。
「吸血鬼を倒すのは……日光か?」
「はあ!?ツバサ、あんた太陽が出るまであと何時間あると思ってんの!」
さすがにそこまでもつほどの体力と霊力なんてない。
「流水はどうだ?これも有名な弱点だろ?」
「流水なんかどこにあんの!」
「ギャアアアア」
いつの間にか、吸血鬼はツバサのに攻撃をしていた。
「望むところだ!バーカバー__っ、痛⁉」
ツバサは、段差に気づかずおもいっきり転んだ。その時にポケットから落ちたのか、四角いものが吸血鬼の前に転がっていった。
あれは……街へ来る途中ペンペンが見つけてきたやつ⁉
「何でお前それもってるんだ!」
「い、いやぁ、暇だったらそれ分解しようと思ってさ……」
そんなことを話してる間に、吸血鬼はそれを拾い上げていた。




