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ツバサの荷物の横に自分の荷物を置き、窓の近くの椅子に座った。
「それ何?」
ツバサが尋ねてきた。
目線は俺の手に持っている物、ガラリア村からの道中に拾った、開くとボタンがある直方体の物体に向いていた。
「これ?テラーヌ街に着く前にペンペンが拾ってきたんだよ、よく分かんないから俺が預かってるって訳」
「爆弾とかなんじゃないの?ボタンを押すと爆発するとか」
始めは俺もそう思っていた。でもルーサスが勝手にボタンを押しても、何の反応も無かったから危ない物ではないはずだ。
「お前もしそれが爆弾とかだったらどうするつもりだったんだよ」
「考えたくもねえな」
「結局それ何なんだペン?」
ペンペンが来て言った。
ボタンと穴があるだけだ、何なのかなんて検討もつかない。
とりあえず俺のバックに戻した。
「まあいいペン。テット、お風呂入り行こうペン」
最近ろくにお風呂入れてないから体がベタベタするし、せっかくだから入る事にした。
ー風呂場ー
風呂場もやっぱり部屋と似て普通だった。
椅子とシャンプー、リンス、ボディーソープそれに湯槽の横に観葉植物が置いてあるだけ。
別におかしい訳ではないが、すこ生活感が足りない気がする。
「意外と広いんだな」
6畳は有るだろうか。
「でも大きさの割に小さな窓だぺんね」
それに窓は入り口から1番遠い所にある。
湯槽にお湯はもう張ってあったので、ペンペンをボディーソープやシャンプーで洗い流し、ペンペンを湯槽に入れた。
「いいお湯だペン......ちょっと足が届かないけどペン」
早くもペンペンは頬を赤く染めている。
「お前どのお風呂でも足届かないだろ、見栄張ってんじゃねーぞ」
「そ、そんなことないペン!」
実は浮き輪をしているペンペンは、少し照れていた。