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「到着だペン!」
「お疲れペンペン」
流石にペンペンは流石に疲れたようで、ペタンと座ってしまっている。
「2人共なんか収穫あった?」
ツバサがこっちを向いて訊いた。
「んー、簡単に言うと街のみんな、時間が勿体無いから昼間は外に出てるらしいよ?」
いや、これじゃツバサもルーサスも分からないだろ。
現に2人共キョトンとしてしまっているし。
「2人と別れた後お店にいたおじさんに訊いたんだけど、なんか日が昇ってるうちは安全だからってさ。......あれ?でも何で安全なんだろ?」
「あーそういうことか」
ツバサは一人で納得したようだ。
「どういう事だ?」
「俺らが泊まっている家の人が言ってたんだけど、街を襲ってる怪物は吸血鬼なんだって」
「吸血鬼って確か血を吸う奴?」
確か、ニンニクと十字架と流水も駄目だったな。後、日光も......あっ
「だから昼間は安全だったのか」
マミも理解した様だ。
「ところで、その泊めてもらったっていう家は何処にあるんだ?」
ルーサスはついて来て下さいと、後ろを向いて歩き出した。
今俺たちがいるテラーヌ街は、ラバーナ大陸の東のに位置し、大陸1の大きさを誇るテラーヌ湾に沿うような形で形成されている。テラーヌ湾を全て埋め立てると、大陸の17分の1面積が増えるそうだから本当に大きい。
また、この世界では、1つの大陸=1つの大きな国であり、国という、大きなくくりの中で個々の魔法文明が発展している。
しかし、流石に大きな大陸を、1つの国でまとめるのは限界があった。そのためそれぞれ1方角中枢都市が東西南北に1つずつあり、6ヶ月に1度大陸のどこかにある定められた場所に、1方角の代表者4人(16人)が集まって文明・経済発展会議がなどが行われている。
少し話が逸れたが、テラーヌ街は東部(細かく言えば湾から下なので南東)の中枢都市だ。この街は大陸唯一の湾があり、湾内の波も比較的穏やかな為に貿易が特に発達した。他にも観光業が盛ん。街が湾を円状に囲む独特な形なので、月を背に海から見た夜景を楽しんだりする観光客も多い。
「…...やっぱり良い街だな」
観光客ように綺麗に整えられた道路や、街並みにそう呟いてしまった。