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「あの~、ちょっと訊きたい事があるんですが......よろしいですか?」
とりあえず、草むしりをしていたお姉さんに訊ねてみる。
「なんです? えーと......、ショート君とショートちゃん?」
ショートちゃんか、なんかいいかも......。まあ、それは置いといて、お姉さんにさっきの事を話した。
「あの犬の事? さぁあんまりよく知らないわね......。でも噂によると吸血鬼のハーフだって」
あぁ、だから羽が生えていたんだ。
あれ?でも吸血鬼の羽って白かったっけ?亜種?
「確か羽があったなあの犬」
「アレと関係してるんじゃない?」
「アレ?アレって何ですか?」
「あら?知らなかったの?ごめんさいね、アレっていうのは吸血鬼の事。最近夜によく暴れてる怪物知らない?」
まさか怪物が吸血鬼だなんて......だから夜に外に出るなって先輩が言ってたのね。
「っていゆうか何で吸血鬼なんかが暴れてるんですか?何かしたんですか?」
「してないわよ。それに、そもそも暴れてる理由が分かってたら街だって何か手を打ってるわ」
確かにお姉さんの言ってる事はごもっともである。
「そう言えばあのワンちゃんは何をしてたんでしょうか?」
「さあ?私にもよく分からないのよ。いきなりやって来てはゴミ箱やら木箱やらを漁るんだもの。酷い時は人の持ち物まで漁るのよー」
外見と性格が一致しないのは私だけなのかなぁ?
「もう、日が見えなくなっちゃったから話はおしまい。ていうか二人ともどこ住んでるの?」
あ......、
「やばい!! 宿とってないぞ!! 今日どうしよう......テットとマミに怒られちまう!!」
「あら、その2人も一緒にお姉さんの家留まってく?」