安堵の空腹とバルドの軟化
長老の家を出た東鳴は、リュシカが手を振っているのを目にした。『アヅマ、アヅマ』と無邪気に呼んで、鳴に近づいてきて手を伸ばす。それを愕然と見つめる鳴。リュシカは動かなくなった鳴に一拍首をかしげたが、ぐいっと鳴の腕を掴んでどんどん引っ張っていく。
「な、な、や、やめろ、な、生温かい、汗とか・・・・・・」
『アヅマは変な奴だな』
「な、馴れ馴れしいやつは女の子に嫌われる・・・・・・らしいぞ」
『父ちゃんが家で食べていいって!早く、冷めちゃうよ』
鳴が久しぶりの人肌の温もりにドギマギ、手のひら汗ジトジトになっていることなど意に介さずリュシカは進む。
『と~うちゃん!連れてきたよ~♪』
『・・・・・・遅い』
『だから食べてていいっていったのに。アヅマ、そこそこ』
「トイレのしつけをされてる犬になった気分だ」
植物を重ねて設けられた(明らかに急ピッチの)特等席に座るよう指差され、少し気分が悪い。しかし目の前でいい匂いを放つ鍋を見て、それも気にならなくなった。そういえば、どれくらい眠っていたのだろう。腹が減っていることにようやく気づいて、思わず口がほころぶ。
『アヅマ、嬉しそうだね。父ちゃん』
『・・・・・・』
『長老のところで何話してきたの?』
『・・・・・・』
リュシカの無邪気そうな問いかけを全く相手にしないバルド。どうやら大分ご機嫌斜めのようだった。食事の間も終始口を聞かず、箸(なんと箸を使う文化圏であった)の進みも遅い。
「よくわからないおっさんだ」
無口なバルドをよそに鳴の箸はどんどん動く。空腹もあったが、鍋で煮られていた食べたことのない肉の旨いこと旨いこと。七味をまぶして焼酎をやりたい。その様子を見て、バルドは感心した様に頷く。
『リュシカ』
『なに?』
『これから、彼にも一緒に晩飯を食べてもらう。特に、今日のような日は』
『な、なんで!?やった、よかったね!アヅマ!』
なんだかはしゃぐリュシカ。しかし、それに生返事を返す鳴の目には箸の先の紫ネズミしか入らない。
今日はちょっと実生活で疲れすぎたので、頭がはたらきません。
人の作品読んで感想を書くことにエネルギーを割きすぎて。
言い訳です。すみません。でも日記代わりなので中断は嫌だったのです・・・・・・
鳴は、紫ネズミに関してだけは唯一バルドに対して優越。
それから鳴は別に可愛い少年が特別好きとかいう性質の人でなく、単純に人肌を久しく知らないのでびびっているだけです。
次回はいよいよ修行開始・・・・・・のはず