表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『妹はミュート。推しは爆音。』  作者: 沼口ちるの


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

78/82

第78話:聖夜の奇跡、歌唱王世代の再臨

雪の降る聖夜。特設の巨大仮想ドーム。 今夜行われるのは、Link-Vが始まって以来の、そして今後二度とないと言われる「SSSランク・トリプル共演」。


かつて同じ時代を競い合い、伝説を創り上げた3人――。 漆黒の魔王、宵闇堂魔。 銀河の歌姫、星野ルミ。 そして、今やサトエンの代表でありながら、伝説の歌い手『るるな』としての顔を持つ、佐藤瑠々。


この3人が同じステージに立つという報せに、世界中の回線がパンク寸前の熱狂に包まれていました。


「……前座とはいえ、ここでヘマをすればサトエンの名に傷がつきますわ。全員、死ぬ気で歌いなさい!」


SSランクの紫苑が、バックステージでAランク以上のメンバーを一喝します。 今回のイベントは、前座としてAランク以上の全ライバーが参加できる「任意型ライブ」。サトエンからは、紫苑を筆頭に、エースの悠真、そしてAランクへ昇格したアリアたちが顔を揃えていました。


「……すごい熱気だね。会場の空気が震えてるよ」 悠真がステージ袖から客席を見つめます。そこには億単位の視聴者という、目に見えない巨大な波が渦巻いていました。


「悠真さん……。……『視え』ます。今夜、このステージから放たれる『音』は、Link-Vのシステムそのものを進化させる特異点になる。……皆さんの感情が、限界を超えています」 仮面の「8」として見守るエイトが、静かに告げました。


トップバッターはサトエンの精鋭たち。 紫苑の圧倒的な命令口調でのコーラス、アリアの情熱的なダンス、そして悠真の「心に直接届く」光の歌。 Aランク以上の実力者たちが繋ぐバトンは、前座とは思えないほどのクオリティで会場を暖め、そしてついに、その瞬間が訪れます。


「――待たせたわね、有象無象の皆様」


ステージ中央に、ピンク髪のツインテールを揺らした**『るるな』**が、現役時代の衣装で降臨しました。その左右には、漆黒の翼を広げた宵闇堂魔と、星屑を纏った星野ルミ。


「……ルミ、堂魔。……いくわよ。世界に『歌』の本当の意味を思い出させてあげる」


3人の声が重なった瞬間、ドームの全システムが歓喜の悲鳴を上げました。 それは「放送事故」など起きようがない、完璧に制御された圧倒的な「格」の暴力。全視聴者が言葉を失い、ただその旋律に涙を流す。


その光景を、優美那はもはやスケッチブックを持つことすら忘れ、ただ膝を突いて見上げていました。


(……ああ。……これです。……時代を創ったSSSたちの、魂の共鳴……。悠さんが目指すべき、究極の……『愛』の形……)


聖夜の空に、伝説たちの歌声が響き渡る。 それはサトエンがLink-Vの頂点へと至る、決定的な証明となったのでした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ