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『妹はミュート。推しは爆音。』  作者: 沼口ちるの


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第77話:頂点の共鳴、再来する事故(カオス)

「……悠真、準備はいいか。SSSの力、その身に刻め」 「うん、宵闇さん。僕も全力で行くよ!」


二人のボルテージが最高潮に達し、新曲『深淵の福音』のサビに差し掛かった瞬間だった。


――ピシッ。


仮想空間の空気が、不自然に震えた。 SSSの魔力負荷と、Sランク悠真の異常なまでの「光」が衝突し、Link-Vのシステムが限界を突破。


「……マズいですね」 モニターを見守るエイトが、仮面の裏で目を見開く。 「お二人の『感情』が、回線を物理的に焼き切った。……視えます。この後、修復不可能なバグが走る……!」


次の瞬間、配信画面が真っ白に染まり、音声が激しく割れ始めた。


『――ア、ア、ア、……ユ、ユウ……、マ……、……シュキ……♪』


「え、何今の!? 宵闇さんの声!?」 悠真が驚いて隣を見ると、そこにはSSSの威厳をかなぐり捨て、バグったアバターで「悠真大好き」というシステムメッセージを全身から発光させながら、謎の高速ダンスを踊り狂う宵闇堂魔の姿があった。


「……黙りなさい! サトエンの品位を汚すなど、この私が許さない!」


中継を見ていた紫苑が、SSランクの魔力を全開にしてシステムに割り込んだ。しかし、あまりの過負荷に彼女のアバターまでもが強制的に書き換えられていく。


「……っ、体が動かない……? 悠真! 貴方も、そのバグった魔王も、まとめて私が叩き直してやる!」


紫苑は優雅に扇子を振るおうとしたが、システムエラーにより、彼女のアバターは**巨大な「純白の白鳥」**へと変貌。羽を激しく撒き散らしながら、画面中を凶器のような速度で旋回し始めた。


『――跪きなさい! 私の舞を目に焼き付けるがいい!(バサバサバサ!)』


「放送事故だああああ!! 全力で落とせ! 配信を止めろ!!」 瑠々が絶叫し、阿久津マネージャーがサーバーのプラグを物理的に引き抜くまでの5分間。


世界中のリスナーは、


高速ダンスで愛を叫ぶSSS魔王


それを見て爆笑しすぎて酸欠になるSランクエース


背景で「跪け!」と叫びながら爆走するSSランクの白鳥女王 という、地獄のような、しかし最高に「サトエンらしい」光景を目にすることになった。


翌日。 「……死ぬ。今度こそ、我が魔王としての尊厳が死んだ……」 ラウンジで顔を覆う宵闇堂魔。


「……ふん、一生の不覚だ。あのような醜態を晒すとは。悠真、いつまで笑っている。その口を閉じなさい!」 紫苑は屈辱に頬を染めながらも、鋭い眼光で悠真を射抜いた。


「あはは、ごめん紫苑さん。でも、あの白鳥の『跪け!』は、SSランクの迫力があって最高だったよ」


「……死にたいの?貴方」


その光景を、優美那は血走った目でスケッチブックに描き写していた。 (……『バグによる告白』と『爆走する女王の鳥葬』……っ! 女王の命令口調がバグでさらに加速する快感……! 最高です、これこそがサトエンの真骨頂!!)


サトエンは、頂点に立ってもなお「事故」という名の伝説を量産し、界隈の歴史を塗り替え続けるのであった。

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