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『妹はミュート。推しは爆音。』  作者: 沼口ちるの


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第74話:沈黙の女王、至高のSSランクへ

サトエンの喧騒から離れた、深夜の特設スタジオ。 そこには、一寸の乱れもない姿勢でマイクに向かう紫苑の姿があった。


「……ふふ、少し目を離した隙に、事務所が随分と賑やかになったものですわね」


画面に流れるのは、彼女の代名詞である『ASMR×オペラ』の融合配信。 かつては「女王様キャラ」としての威厳が先行していたが、今の彼女は違う。悠真の眩しい光、そしてエイトの冷徹な真実を目の当たりにし、彼女は自らの「声」を極限まで磨き上げたのだ。


「皆様、今夜は少し、深い夢へと誘いましょう」


彼女が囁いた瞬間、視聴者数は瞬く間に50万人を突破。 その声はもはや単なる音声ではない。脳を直接愛撫し、精神を強制的に平穏へと導く「癒やしの極致」。


【ランク更新:紫苑サトエン――SSランク昇格】


Link-Vのシステムが、冷徹にその実績を刻む。 歌唱力、カリスマ、そして「事務所の屋台骨」を支え続けた安定感。彼女は誰の手も借りず、自らの実力だけでSSSトリプルエスの背中が見える位置まで登り詰めたのだ。


翌朝、サトエンのラウンジ。 「……おめでとうございます、紫苑さん! ついにSSランクですね!」 悠真が花束を手に駆け寄ると、紫苑は扇子で口元を隠し、優雅に微笑んだ。


「当然の結果ですわ、悠真。……新入りの子たちがどれほど暴れようと、このサトエンの『格式』を守るのは、わたくしの務めですから」


だが、その目は鋭くエイトを捉えた。 「……それにしてもエイト。貴方の『8』としての活躍、聞き及んでいますわよ。……わたくしの周辺を嗅ぎ回るような真似は、なさらないことね?」


「……。……紫苑さんの周囲には、『深紅のバラの棘』が張り巡らされています。……僕の眼でも、これ以上は踏み込めません」 エイトが少しだけ敬意を込めて会釈する。


その光景を、柱の陰で見ていた優美那が、ガタガタと震えながらスケッチブックを抱きしめた。


(……SSランクに到達し、さらなる威厳を増した紫苑様……。そして、それに対峙する謎の探偵8……。この、女王と影の執行者の『冷え冷えとした緊張感』……! 悠さんを巡る、高潔な争奪戦チェスが始まってしまう……!)


「優美那さん、また鼻血出てるわよ」 瑠々が呆れ顔でティッシュを差し出す。


サトエンは今、光のエース悠真、闇の真実8、そして至高の女王紫苑という、三位一体の最強布陣を完成させようとしていた。



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