第60話:止まらない通知、狂乱のコメント欄
ライブ終了から1時間。 悠真が事務所のソファで抜け殻のようになっている横で、瑠々社長はホクホク顔で「投げ銭の総計」をチェックしていました。
「……見てよお兄ちゃん、コメント欄。サーバーが物理的に熱持ってるわよ」
【アーカイブ:Sランク昇格記念トリオライブ(ゲスト:瑠々)】
『伝説の目撃者』: 最初、悠真・紫苑・優美那の三人が並んだ時、「これ以上のステージはこの世にない」って本気で思った。三人のハモりが完璧すぎて鳥肌止まらなかった。
『音の支配者』: 紫苑様の高音と優美那さんの包容力、そして悠真くんの熱量……。この三角形はマジで芸術。運営、これだけで映画一本撮ってくれ。
『絶望の始まり』: ……でも、最後に来た「あの子」が全部持っていった。瑠々社長が歌い出した瞬間、家のスピーカーが震えた。いや、空気が変わった。
『SSSランクの真実』: Sランク三人の全力の旋律を、ハミング一つで「背景音」に変えちゃう瑠々社長、マジで人間じゃないだろ。あれがSSSランクの「格」か……。
『悠真、生きてる?』: 瑠々社長に首を回された時の悠真くんの顔w 「え、僕たち頑張ったよね?」って顔してた。ドンマイ。でも、あの最強の妹に食らいつこうとする悠真くんはマジで主人公してたよ。
『サトエン最強説』: 大手事務所はこのアーカイブ見て震えてるだろうな。Sランク三人に、あの「神」がトップに君臨してる。もう誰も勝てないだろ。
『ローストビーフどこ行った』: かっこよすぎて、いつもの「放送事故」を期待してた自分が恥ずかしい。……いや、でも最後は瑠々社長に「完全敗北」してたから、ある意味いつもの悠真くんか?
『アリアのコメント発見』: 一期生のアリアちゃんが裏垢(?)で「悔しくて眠れない」って書き込んでて草。一期生もこの背中を追うのは大変だなぁ……。
「……みんな、瑠々の乱入に一番驚いてるね」 悠真が溜息をつきながらスマホを置く。
「当然でしょ。私はサトエンの『最終兵器』なんだから。……でもね、お兄ちゃん。コメント欄、よく見て?」
瑠々が指差した先には、厳しい言葉もありました。 『悠真は凄い。でも、まだ瑠々の「楽器」の一部にしかなれていない。彼が一人で、あのSSSランクを黙らせる日が来るのか?』
「……。……。……。追い越してみせるよ。瑠々も、紫苑さんも、優美那さんも」
悠真の瞳に、静かな、けれど今までで最も熱い火が灯りました。 コメント欄の熱狂は、彼にとって「ゴール」ではなく、さらなる高みへの「入場券」に過ぎなかったのです。




