幸せを掴む方法
「おーい、大地 お前、誰が好きなんだよ」
「えぇー、誰にも言うなよ、3組の佐藤さん」
「てか、これ聞く意味あるか、うちの学校大抵、佐藤さんの事好きだろ」
「確かに」
「そう言う、お前もそうなんだろ?」
「まぁーそうなんだけど」
男子中学生2人のたわいも無い会話だ、
放課後クラスで男子生徒が誰が好きかを互いに言い合うなんて、よくある話でその中で佐藤さんの人気は一際高かった、学校マドンナとかそう言う訳でない、特段勉強やスポーツができるといった訳でもない
そんな中で、うちの中学校では佐藤さんがダントツの人気だった
それはなぜかそれは、彼女がみんなをよく「見ていてくれた事」が要因なのではと今では思う
中学生のいわゆるモテる人種というのは要は目立つ人、人気のあるスポーツのキャプテンやエースと呼ばれる人だったり、クラスの人気ものなど、自分を自己主張出来たり注目される立場だったりするものである。
私も、そんな目立つ存在ではなかった、学業もスポーツも中の中、特段に何か目立つものもなく、ひっそりと学校生活を送っていた。
佐藤さんとは、クラスも違っていた
でもそんなある日彼女から言われた、「九重君っていつも部活動頑張ってるよね」
「別にそんな事ないよ、大した成績でもないし」
「そうかな、練習いつも頑張ってるし、道具も大切に使っているし私は凄いと思うよ」
思春期真っ盛りの中学生が異性に褒められたから嬉しかったと言う訳でもない
佐藤さんは何か、人の隠れた努力やこだわり、見えない部分を見ていてくれたし、褒めてくれた。
ある人は、クラスの掃除の時、人より多く机を運んだり、率先してバケツの水を変えてくれた事を
別のある人は花壇の水やりを自主的にしてた事を
皆が自分の中の当たり前をただ、日常生活で行っているだけなのに佐藤さんはその姿を肯定してくれる
成績が優秀じゃなくても、クラスの人気者でなくても、スポーツが出来なくても
彼女は私のありのままを見て、そして褒めてくれる
そんな、彼女がみんな好きだった、男子だけでなく女子も同じだったと思う
そんな中学生時代に密かに思いを寄せていた彼女とこうしてまた、知り合えた事だけでも私は幸福に
考えていたし、いつしか彼女に恋心を抱く様になったのは必然である。
コンビニでバイトをするようになって、毎日が楽しかった
昼間はパチンコで金を稼ぎ、夜は思いを寄せている人とあって談笑する
そんな毎日が楽しかったし、幸せだった
いつしか私は佐藤さんと結婚して幸せな家庭を築きたいと思うようになり
彼女に思いを告げて無事付き合うことになった、
そこから先はトントン拍子で結婚し、子どもにも恵まれた
夢のマイホームも購入したしまさに順風満帆
私はこれが幸せなのだと毎日噛みしめる様に生きていた、相変わらずせーぶ と ろーどの力を使い
パチンコには、いっているが毎日が幸せだ
まさか私が、家庭を持ち幸せに暮らせるなんて夢にも思っていなかった。
しかし私が50歳を過ぎた所で事件が起きた
いつもの様にせーぶ と ろーどを使い パチンコでお金を稼ごうとしたとき目の前が真っ暗に
なったのだ。
「あれ、なんかおかしいぞ」
私が暗闇の中であたりを見回していると目の前が瞬く間に眩いばかりの光りに包まれた
そして、あの少し懐かしい声がした
「はーい、どうだった~、君の人生、幸せになったでしょ~」
そこには山田がいた。
「君、よかったよ~、僕も見てたけどめっちゃ幸せそうだったし、いいエネルギーがビンビン出てたよ~」
山田は上機嫌に話していた
「そうですか」
「じゃー幸せになった事だし、今から、君たちの言うとこをの天国に連れていくね~」
「えっ!天国何も、まだ私生きてるんですよ、子ども達の結婚式も控えてるし、冗談は、よしてくださいよ」
「まだ、私、50代ですよ、死ぬにはまだ早いし、悪し冗談辞めてください」
すこし、驚いたし認めたくなかった なによりこの幸せな毎日が急に終わりを告げたことに動揺してしまった。
しかし、山田は無慈悲にこう告げたのだった。
「なに言ってんの?君はもう死んでるよ」




