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ベストえんでぃんぐ  作者: 辰式
もしもが叶う世界
5/6

偶然の確率

私は愕然とした、確実に当たるとその確信があっただけに、そのショックはおおきい


「なんで、番号が違うんだ」


思わずつぶやいてしまった、誰にも聞こえなくらいの小さな声で

それくらい目の前の現実に絶望してしまった瞬間だった

あの、開放感に満ち足りたあの瞬間から見れば、どん底 一瞬にして私のプランが狂った

またあの忌々しい労働をしないとお金を得られないのではないかとふと頭をよぎり更に不安になった


「とりあえず、もう一回試してみよう」


何か手違いがあったかもしれないし、とにかく諦めきれない、あんなに、希望や幸福に満ちていたのに

その現実を受け入れたくなかった。

これでは、私のいつもの日常と変わらない、なんの生産性もなく、あのダラダラした日々に戻るのだけは

嫌であったからだろう


そう決め また、同じように宝くじを購入した


今回は間違いない せーぶ の3つのスロットも使い 複数のせーぶデータを作った、宝くじ購入前 

購入前日、それに予備 準備は万全だ


そうして、準備万端で臨んだ 宝くじ当選番号 発表当日を迎えたが

自分の期待した結果とはならず、宝くじの番号は私が以前見て来たものとは違っていたのである


その後、宝くじの他にも色々と試してみた

競馬、競輪、競艇、オートレースetc.


どれも私の望む結果にはならなかった


同じことが二度、三度、続くと頭は逆に冷静になり、この失敗の原因を探ろうと思考を巡らせた


まずは整理しよう、疑うべきはこの せーぶ と ろーど の能力そのものがきちんと機能しているのか

検証する必要があった。


大前提として、私は間違えなく この能力を使えている、宝くじ購入前 発表当日 日時が間違えなく

変わっていた

それに目をつむると自分のせーぶ した記録を可視化できている


つまりは、能力自体の欠陥ではないのではないか…

「すると、根本的になにか能力の解釈の違い、つまりは私が思っている能力と実際の能力になにか誤差があるという事か」

「そう言えば、山田もこっちの世界のゲームのに寄せてるって言ってなかったっけ」



確かに、言われ見れば、冒険ゲームの、世界と一緒と考えれば腑に落ちる、冒険ゲームの世界でのメインストーリの内容は一緒だがそのほかの、例えばレベル上げの際のモンスターとの遭遇した際の種類や遭遇率は確かにランダムだったりする。


そうか、これは同じ世界線で起こる記憶を せーぶ ろーど するのではないんだ


同じ川に足を踏み入れたつもりでも、ほんの少しだけ流れが変わっている。水温、流速、光の差し込み方…一見同じでも、確実に“別の流れ”なのだ。


このせーぶ と ろーど は単に川を遡る行為と同じなんだ、

「ろーどをして戻ったとしても微妙に世界線がずれているんだ」

期待通りの結果にはならなかった。

けれど、せーぶ&ろーどの能力が意味をなさないわけじゃない。

ただ、“使い方”を間違えていたにすぎない。


この力はチートではなく、シミュレーターだったと認識を改めよう

トライアンドエラーを、現実よりも高速で行えるシステム。

つまり、他人より先に“正解”へたどり着ける可能性があるということ。


落胆よりも、冷静な好奇心が勝った。


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