せーぶとろーど
山田の提案は正に天からのラストチャンスのように思えた
今まで平凡だった私が、もしかしたら世界の特別な何かになれる様な気がしたからだ
歴史に名を残すかも… はたまた現代日本に衝撃を与えるような存在にもしたらなれるのかもと、
胸の内を膨らませた。
せーぶと ろーど、なんて、恐ろしい能力なのだろうもしかして、山田は時を司る神のなにかなのか?
そんな想像をしつつも、今まさに、自分が過去の「平凡」な自分とは違う、新たな自分になれる…
そんな期待の方が強かった
そんな、希望に満ちた想像をしていると、山田が、横槍を入れるかのように話始めたのだ
「めっちゃ、期待してる感じだね〜」
「いいよー今、すんごい_いいエネルギーが君から来てるよ」
「それじゃ、せーぶとろーどの詳しい説明をするけどいいかな?」
「あっ、はい」
私の心のうちを見透かせれたようで少し恥ずかしくなった
山田は静かに せーぶと ろーどの説明をし始めたのである。
「じゃー説明するね〜」
「能力の使用はさっき行った、君の世界の「ゲーム」一緒と思ってもらって大丈夫だよー」
「むしろわかりやすいように、そっちにちょっと寄せてあげるね」
山田の説明がはじまった、せーぶと ろーど解釈としては皆が想像する冒険ゲームの機能そのものである
自分の好きなタイミングでせーぶ ろーどが使用できる。
「じゃー、実際にちょっと使ってみようか~」
「やり方は簡単だよ、まず目を閉じてみて~そしたらほら目の前に せーぶのが画面見えるでしょ」
私はそっと目をつむってみると某冒険ゲームのせーぶの画面が鮮明に見えてのである
「あっ、見えます!」
「そうそう、じゃ試しに1つ せーぶしてみよっか!」
「君の見ているその画面の空いている所に心の中でせーぶ するぞー、的な感じで念じてみて、そしたら今の 記録がせーぶできるから」
「わかりました、やってみます」
私は山田の言う通りに心の中で念じてみた、するとどうだろ現在の記録が書き込まれたのである
【〇年〇月〇日 九重 大地 31歳】
「やったじゃん、君の初せーぶ」
「じゃーこんな感じで説明は良いかな~」
「すみません、ちょっと質問いいですか?」
「はいどうぞ~」
「このせーぶの記録の画面にあと2つ空欄があるのですが…」
「そうだよ~君が理解しやすいように3つ せーぶのスロット作っておいたから」
「こっちの方がより理解しやすいでしょ?」
「まぁ、たしかに」
「じゃー詳しいことは実際に生きながら使ってみてよ、そろそろ時間だから~」
「これで君の人生、幸せになるだろうから良い人生にしなよ~」
そう言うの残すと山田はあっさりと消えてしまった。
今のこの一瞬が嘘かのように思えてしまうほどに強烈な一瞬だった
「まじか」
思わず、口から言葉がこぼれた
「とりあえず、ろーど してみるか」
「さっき、山田と話してたときのせーぶデータあったよな」
まだ、半信半疑で合ったが私は目を閉じ先ほど山田との会話の場面のせーぶデータをろーどした
すると、目の前に先ほど消えた自称神の山田が現れたのである
「さっそく、ろーどして確かめたの?、君も疑り深いんだから~」
山田は呆れた声でこちらに話しかけてきた
「すいません、ちょっと試してみたかったので」
「まぁーでもこれで信じたでしょ、僕の能力を」
「じゃーもうこのせーぶデータ使わないでね、僕も暇じゃないんだから」
「じゃ~改めて頑張って、幸せになってね~」
そう言うと、山田が目の前から消えてしまった。
「この力、本物じゃん」
私はとんでもない能力を手に入れてしまったのである、そう実感した瞬間だった。
とりあえず、今日は色々ありすぎて疲れてしまい自宅へ帰ることにした
帰宅後、すぐにベットに横たわった
強烈な1日だった
時間を自分の好き時間にせーぶと ろーどできる、とんでもない能力だ
「さて、どう使えばいいのだろう?」
今思えば、今日の、この日は自分の人生史上、一番幸せだったようにおもえた。
じぶん自身ワクワクしていたのである、それは、まるで小学校の運動会の前日ようだった。
あの、頃の希望に満ち溢れた感覚、毎日が刺激的で、新鮮なあの感覚、社会に出て、もう二度と味わうことができないと思っていたあの幼少期の毎日が希望に満ち溢れていた感覚が自分にだけ戻ってきたようで嬉しかった。
そんなことを考えているうちに次第に視界がぼやけ始めやがて、目の前が暗くなってきた。
「今日は疲れたな、寝よ」
私は希望に胸を膨らませながら休息にいたったのである