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ベストえんでぃんぐ  作者: 辰式
もしもが叶う世界
2/6

人ではないなにか

話は更に過去に遡る、アットホームな会社を辞めて、ダラダラしている昼下がり

それは突然起きた目を瞑り、睡眠では無い、あのなんでもない感覚のまま、うとうとしていると


目の前がなにかキラキラした何かが当たりを飛んでいる

科学的には飛蚊症と言うらしい、皆も経験ないだろうか、光の玉が上下したり左右に動いたり自分の目に何かのフィルターがかかってあたりを見回す感覚


しかしそんないつもの感じでもない、なぜだろう

意識ははっきりとしている、体や手足の感覚はある、これは睡眠のそれとは違い

確実に意識というものが存在している、はっきりとそこに感覚や自我がある


ただ目の前のキラキラした何かがあるが次第に集まり何かの形をなしているようだ

まるで、私に不安を与えないような速度でそのキラキラした何かは日常に馴染みのある人の形へと姿を変えたのである


私は期待した、この平凡な日常がいわゆる、「転生」のそれのシナリオのようで

私は期待した、ここから始まる自分中心の異世界への何かの始まりのようで

私は期待した、今の自分の能力を超越するいわゆる、「チート」という能力を…


「どんだけ2次元に夢見てんだよ」自分でつい呟いて笑ってしまった

しかし、いい意味でその期待は裏切られ、人の形をしたなにかは音を発した


「えっ!」

私が驚き声をあげると、それは語り掛けて来たのである


「君さ、なんかさ、見ててつまらないよ」

冒頭一発目の声が罵声とはコチラもびっくりである


「もっとさ、こう活気にあふれる人生にしようとはする努力とかしないわけ?」

続けざまに説教じみた話が始まった


「もうずっと見てたけど、非常につまんかった!!、とにかくつまらない」

「せっかく、この世に生をもって生きてるんだからさぁー、こう活発的に何か取り組むとかさー」


私のさっきの、あのワクワクは一瞬にして崩れた

異世界やら転生やらを期待した次の瞬間には罵倒の嵐であるのだから…


しかも、明らかにおじさんの声、何か既視感があると思ったら、前職のあのアットホームが売りの職場に勤めていた時の上司の声にそっくりだったのだ


そいつにはいい思い出がない、いつも私の事をぐちぐちと…思い出したくもない

そんな過去の嫌な思い出が一瞬、フラッシュバックしてて嫌悪感に私が打ちひしがれている間に

そのキラキラの何か通称前職の上司 山田 の声を発する何かが続けて話しかけてきた


「君、見てるとつまらないけどさ、だからださ、ちょっとチャンス上げようと思って実は現れたんだよね~」


「チャンス??」

私は食い気味に答えった、なにせさっきの期待に満ち溢れた事が起きそうな気がしたから


「そう、チャンスだよ!!」

「だってさ、君このまま生きたって、君の人生特に何も起きないし、何も起こせないんだよね」

「いわゆる人間的に言う「平凡」ってやつ?」

「あれ、非常に困るんだよね~」

「僕の担当の地域はただでさえ平凡な人種しかいないって、職場の同僚から言われてるのに」


「これじゃー全然,出世しないし、来季の僕の地位が落ちちゃうよー」


山田はここぞとばかりに、私に自分のストレスをぶつけたいらしい


「まず、そもそも、あなたは誰なんです?」

私が山田に尋ねると山田はゆっくりと話しだした


「ん?私?」

「この地区を管理している担当者だよ」

「何で例えたらいいかなー」

「あっ、あれだその神てきな?」


「そうなんですね、神様だったですね」


「そうそう、そんな認識で大丈夫!!」


「それで、その神様が私になんの用だったんですか?、あと、さっき言ってった。チャンスって?」


すると山田改め 自称 ”神” は事の顛末を話し始めたのである

話によると、なんでもその山田の世界では各担当、地域が決まってるらしく

その地域の平和や発展を基準に自分たちの序列や地位が決められ、序列や地位が高ければ高いほど

より広域の範囲を任せられ、最終的には新しい世界を創造するときの設計主に「創造主」になれるらしい


神の世界も大変だな

規模は違えども、私たち人間の行っている、日常とさほど変わらないのだから

そう心の中でそっと思った


「あっ、また、ちょっと失望したでしょ!!」

「それ、僕にリアルタイムで伝わってくるんだから~」

「さっきさ、僕が現れた時すごかったよ~君!!」


「期待やら希望やらのすごいエネルギー伝わってきてたもん!!」

どうやらこの 神は人の幸福や期待、希望、絶望や失望など感情の起伏を感じとることができるらしい


「それでチャンスというのは?」


「そうそう、僕の担当の地域の発展具合があんまりよくないんだよね~」

「だからさ、ちょっと手助けしよかなぁーって思ってね」

「このままだと僕の来季の評価も危ういしね…」


「そうなんですね、それで何を手伝ってくれるんですか?


「僕は直接はなにもできなよー、だからさ、君にちょっと手伝ってもらおうと思って」


「はぁ~」

さんざん説教じみたことを言ったのちにまさか私に協力を依頼してくるといは図々しいやつだ

「それで、私に何を手伝えというんです?」


「話が早くて助かるね~手伝っていうより、僕の能力の一部を貸してあげるか、その能力を使って

これからの人生を生きてほしいんだ、ただそれだけ」


「嫌ですよ、なんの能力なのかもわからないし」

「そもそも、それで僕になんのメリットがあるんです?」



「今より、幸せになれるよ」


「幸せ?」

「そう、幸せ、なりたいでしょ?」


「僕、最初に言ったじゃん きみの人生つまらないって」


「実際どう?満足??楽しい?」

痛い質問だ、そんなの楽しい訳がない、仕事を辞め、家に引きこもり時間を消費する人生が満足なはずもないそう思うと「幸せ」の問に何か心に刺さるものがあった


「そう、だから僕の能力の一部を貸してあげる」

「それで今後の人生幸せに過ごして、君はハッピー!!」

「僕も自分の担当地域がよい方向に向かってハッピー 互いにWinWinだよ」

「どう、いい話でしょ?」




「わかりました、それで肝心な能力というのは?」


「おっ、やってくれる?そんじゃ僕の能力について教えるね」



「君の時代のあの「げーむ」ってやつあるじゃん、あの四角い画面をみてやるやつ」

「あれが一番にてるかな、冒険してなんか世界の平和を救う的な」

「やったことある?」


「まぁーあります」



「それだよ!!」

「その冒険の最中、みんなするじゃん、「せーぶ」ってやつ」


「そしてまた続きの冒険を始めなおすとき「せーぶ」したものを「ろーど」してまた冒険始めるじゃん」

「まさにそれだよ!!」


「わかりやすいでしょ?」


山田は楽観的に話しているが内容は衝撃的だった

彼の説明する「せーぶ」「ろーど」の能力はいわゆるチートもチート、

それもそのはず、もしこれが現実に使えるなら、やりなおしがきく!!何より自分の人生を自分の都合の良い方向で進められる


まさに最強!!


その手の転生や異世界の娯楽が好きな私にとって最高の能力である


それとは別に山田の言う「幸せ」という言葉がずっと心のどこかに引っかかっていた

自分自身わかっていた、これが自分の人生で何も変わらない、何も起こらない


その人生が今、まさに大きく動きだそうとした

そんな瞬間が今まさに目の前に訪れたのだと…


心の中で強く思った

「乗るしかない、このビックウェーブに…」

まさか、ネットでさんざん言われた、この言葉を自分で使う日が来るなんて思わず失笑してしまた。


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