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桜坂
坂は登りがある。
坂は下りがある。
下るためには先に登らなければならない。
登ったら下らなければならない。
人生は坂である。
坂を登っているのか?坂を降っているのか?
いつ頃が坂のてっぺんだったのか?いつ、降りの終点に着くのか?
坂は人生に似ている。
私の坂は桜坂である。
登りの始点は平和通り。
下の終点はカサブランカ。
この世、同時代に、井上陽水が中島みゆきが荒井由美がいてくれたら。
きっと、来世にも、天才たちがいて、わたしを楽しませてくれるはず。
あと何年、この世でお世話になるのか、わからない。
やろうと想うアイデアは、全部、やり尽くしたい。
ラッキーにも、人生のオマケの時間を貰った。
あの緊急搬送時に、おさらばして良かった。子供2人、孫3人の顔を見れた。あの時、おさらばしていても十二分に満足出来る人生であった。愛した人の数、愛してくれた人の顔。もう十二分に満足、大満足である。
母に愛され、父に愛され、母を愛し父を愛した。
姉がいる。兄がいる。叔母や叔父もいる。子がいる、孫がいる。孫と三年間一つ屋根の下で暮らし、自転車で毎朝遊びに出かけた。