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(二)-3

「カズ君の行きたいところでいいよ」

 さっきまではカズナガ君と呼ばれていたのに、急に親しげに名前を短くして呼ばれて、嬉しいやら恥ずかしいやらで一瞬戸惑った。

「ごめん、びっくりさせちゃったかな。でもこうして男子とデートするなんて初めてだから、名前、短くしちゃった。嫌だった?」

 長い髪を揺らしながら覗き込むようにして俺の顔を見てきた。いたずらっ子ぽく笑う彼女の顔を直視できず、思わずお顔をそらしながら「いや、全然。それでいいよ」と返した。


(続く)

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