前へ目次 30/30 (四)-7(了) そして彼女は目をつぶった。 サナさんが近づいてきて「少し休ませてあげましょう」と言った。彼女の握力が徐々に抜けていくのがわかった。 そして俺はサナさんと一緒に病室を出た。 すると廊下の向こうから医師と看護師が早歩きでやってきて、勢いよくドアを開けて病室に入っていった。 「あなたは一階のロビーで待っていて。後で送ってあげるから」 サナさんはそう言って病室に入った。そして俺の初恋の人がいる病室のドアは、俺の目の前で閉じられた。 (了)