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短編

デンキグイムシ

作者: 神通百力

 リビングの掃除をしようと掃除機のプラグをコンセントに差した。電源を入れるも、掃除機は何の反応もしない。最近購入したばかりなのに。もう一度電源を入れてみるも、やはり反応なし……。別のコンセントに差し込んでも結果は同じだった。不良品だったのだろうか? 

 仕方なく掃除機は諦め、雑巾でリビングを掃除する。掃除が終わり、休憩しようと、コーヒーメーカーのプラグをコンセントに差す。カップをコーヒーメーカーにセットした後、スイッチをオンにした。しかし、コーヒーメーカーからは何の音もしなかった。

 掃除機に続いてコーヒーメーカーまでも動かないとはいったいどうなっているのだろうか? 買い替えるとなると、また余計な出費だ。どうしたものかと思っていると、視界の隅で何かが動いた。

 目で追うと、虫が飛んでいた。奇妙なことに虫から静電気が走っているかのような音が聞こえた。不思議に思いながらも、私は両手で虫を叩いた。その瞬間、体に電気が流れて感電した。


 ☆☆


 感電死した女性の上を虫が通り抜けた。先ほど女性が叩いた虫と同種だった。

 虫は台所のコンセントに近づくと、小さな口を開け、()()()()()()。この虫は最近発見されたばかりの新種『デンキグイムシ』だった。電気を餌とし、体内に蓄積するのだ。そして死に際に放電する。

 電気を食べ終えた『デンキグイムシ』は飛び去った。

 後に残ったのは別の『デンキグイムシ』の死骸と体が焼け焦げて感電死した女性の遺体だけだった。

感想頂けると幸いです。

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