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第35話 新たな出会いも波瀾万丈でした(第二章完)

 二年生に進級してからというもの、一年生の時と比べて俺の学園生活は随分と変わってしまった。

 一年生の時は仲の良い友達数人と目立たない日々を過ごしていたが、今はどうだろう? この賑やかさは。


「冬人せんぱあい。今日も遊びに来ましたあ」


「冬にいゴメン、今日も奏音ちゃん止められなかった」


 平日の昼休み、妹の美冬が夏原を止められずに謝ってくる。

 俺は美冬に何か買ってやる事を条件に、夏原が遊びに来るのを阻止してくれとお願いをした。でも、この状況を見ればお分かりだろうが無理みたいだ。


「美冬、夏原を止められていないから何か買ってやるのは無しな」


「ええ~? 止める努力はしてるんだから認めてよ~」


 世の中結果を出さねば意味が無いのだ。諦めなさい妹よ。


「夏原、いつも言ってるけど昼休みに来るなよ? ただでさえ目立つんだから」


「はあい、分かりましたあ」


 夏原が来る度に同じような問答を繰り返してる気がするな。


「神代、二人をそんなに邪険に扱わなくてもいいんじゃないか? 上級生の懐の深い所を見せてやれよ」


 誠士が呑気な事を言っている。


「二人が来ると騒がしいし、注目を浴びるからさ落ち着かないんだよね」


 せっかくの昼休みはゆっくり過ごしたいと思いませんか?


「そうだぞ冬人。可愛い二人が遊び来ると賑やかで楽しいじゃないか。二人とも俺は歓迎するよ。いくらでも来ていいからな」


「さすがあ大介先輩、ありがとうございますう」


 大介は可愛い女子と仲良くしたいだけだから、懐の深さとか関係ないよな。


「冬人、友火! 遊びに来たよ!」

「咲間さん待ってよ。ぼくを置いていかないで」


 ショートカットの美少女コンビ? が二人教室に入って来るなり、他の生徒がザワめき始めた。春陽が歩夢を連れて教室にやって来たのだ。

 歩夢は見た目は美少女だが、学校なのでパンツルックにブレザーと男子生徒の格好をしているのが男装をしているようにしか見えない。


「春陽、いつの間に歩夢と仲良くなったんだよ?」


 春陽と歩夢がクラスメイトだという事を俺は後から知った。


「歩夢くんとは同じクラスだし、なんか女の子みたいで話も合うんだよね」


「咲間さん女の子みたいってヒドいじゃないですか。ぼくはれっきとした男ですよ」


 でも、女の子みたいって言われて歩夢は喜んでいるように見える。


「冬人こそ歩夢くんとどこで仲良くなったのよ?」


 歩夢と接点が無さそうな俺が仲良くしている事に、春陽は疑問に思ってるようだ。


「歩夢は桐嶋くんの元クラスメイトで友達だったんだよ。その関係から知り合ったんだよ」


「ああ……そういえば最近、冬人はあのイケメンとも仲良しだよね。あのイケメン女子に全くなびかないから、冬人と男同士でデキてるんじゃないかって私のクラスではもっぱらの噂だよ」


「え⁉ そんな噂になってるのか……しかも隣のクラスで⁉」


「おやおや、それは変な噂を立てられてるみたいですね」


 噂のイケメンが自分を取り囲む集団から離れ、俺たちの会話に割り込んできた。


「桐嶋くん、俺たち変な噂されてるようだから、ちゃんと否定しておかないと」


「はは、僕は構わないですよ? 噂されても」


 桐嶋くんは別に気にしませんよ、とか笑顔で言っている。


「俺はよくないんだけど……BL疑惑掛けられても気にしないのかよ……」


 ――はっ! もしかして俺、桐嶋くんの変態性癖の隠れ蓑にされてるとか⁉


「桐嶋くん、俺を盾代わりにしてない?」


「あ、バレましたか? ははは」


「ははは、じゃねえよ! 俺までBL疑惑掛けられたら嫌だからな」


 イケメンはどんな噂を立てられてもイケメンだから、で許されるが俺みたいなモブはクラスでネタにされてしまう。それだけは回避しなければいけない。


「アンタ、ロリコンの他にBL疑惑まで掛けられてるの?」


 そして今、俺たちの会話に割り込んできた女子生徒が、俺の学園生活を一変させた張本人だ。

 


「秋月……いつから俺にロリコン疑惑が掛けられてるんだ?」


 そう……彼女こそ学園一の美少女と呼ばれた秋月友火だ。彼女と知り合ったのがキッカケで今、俺の周りにいる色々な個性的な人たちと知り合う事ができた。


「下級生まで手籠めにしてるから私が今、アンタをロリコン認定したのよ」


「いや! 手籠めにしてないから! 今だって夏原に、もう来るなよ、って悟らせようとしてただろ?」


「どうだか……」


 秋月は疑いの眼差しを向けてくる。


「まあ、いいわ。アンタが桐嶋くんとデキてれば女の子の被害者が減るし、丁度いいんじゃないかしら?」


「あはは、秋月さんは厳しいなあ」


 桐嶋くん笑ってる場合じゃないよね? 彼のメンタルは何をしても揺るがないようだ。


 こうして俺の周囲は一年生の時には考えられなかったような賑やかさになった。目立たず学園生活を過ごすのは、残念ながらもう無理そうかな?


 だけど……こうして素晴らしい友達がたくさん出来たのも、秋月と知り合ったからなのは間違いない事だ。彼女には感謝しないとな。


 そして、これから一体どんな楽しい事や素晴らしい事を秋月は運んできてくれるのだろうか? まだ二年生は始まったばかり。

 

 これから何が起こるのか楽しみで仕方がなかった。


第二章 完

第二章完結しました!

第三章執筆の為しばらく更新をお休みします。

今後も面白い小説を書いていきます!

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