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転生後は幸福に!  作者: 未空
第1章 ーフェアルティ家、メティス=フェアルティー
4/7

2-2.この世界、初の誕生日

パンッ!



突然、そんな音が響き、俺はベッドから勢いよく体を起こす。


「な、なに!?」


周りを見ると、メイドのリミさんがニコニコ笑いながら立っている。


「驚きました?今日は5月25日!メティスさまの1歳誕生日なので、

 ちょっとしたサプライズです♪」


リミさんは俺の専属メイドみたいなもので、結構気楽な関係だったりする。

ていうか、この世界にもクラッカーってあるんだな…。


「びっくりしたよ…。でも、ありがと。」


ありがとうと言うのは少し恥ずかしいが、祝ってもらえたのは素直に嬉しい。


「メティスさまが喜んでいただけたなら幸いです。

 今日は夕食の時に、誕生日会をするそうですよ。

 ウェルト様とミリナ様がそう仰っていました。」


そうか。やっと1歳か……。

この世界に生まれて一年。まだ知らないこととかも多いけど、頑張るか…。

そう思いながら、何だかんだで誕生日会を楽しみに1日過ごした。



夕方___


コンコンコン。ノックの音がする。直ぐに扉が開けられる。


「メティスさま。夕食ですよ。いよいよ、誕生日会ですね。」


「うん!楽しみ!」


部屋を出て、長い廊下を歩く。

リミさんが俺の歩幅に合わせてくれてるのを見ると、

少し申し訳なくなる。まぁ、俺が小さいから仕方ないか。



「さぁ、着きましたよ。どうぞ、お入りください。」


リミさんがそう言い、扉を開ける。

俺が中にはいると同時に、パンッ!っと朝の何倍も大きい音が響く。


  「「メティス!誕生日、おめでとう!」」

「「「メティス様!誕生日、おめでとうございます!」」」


父さんに母さん、メイドさんたちにそう言われる。


「えっと、、ありがと!」


素直に嬉しくなる。

前世では家族のことに精一杯で、自分のことなんか祝う暇も無かったしな。

その後は皆にプレゼントを貰った。


メイドさん達からは、豪華なケーキととっても綺麗な花束を貰った。


母さんと父さんからは、可愛い人形と絵本を貰った。



その後も皆でご飯を食べて、楽しい夜を過ごした。

前世ではこんなに幸せなことは無かったな。

家族に、メイドさんに誕生日を祝ってもらって…。


今世は精一杯、幸せに生きよう!


そう決意を固めた日だった。




そんな日から3年後。___


4歳の誕生日会をしてもらい、幸せな一日を過ごした。


その次の日。

父さんから夕食の時に、


あぁ、そうだ。メティス、食べ終わったら後で執務室に来い。

ちょっと用事があるんだ。」


と言われた。

その時は普通に返事を返したものの、用事ってなんだろう?

執務室への廊下を歩きながらそう考えていた。

結構時間が掛かったが、執務室の前に立つ。


コンコンコン。ノックすると、すぐに返事が返ってくる。


「メティスか?入っていいぞ。」


扉を開け、中に入る。

よくよく考えてみると、執務室に入るの初めてだな。

執務室はとても綺麗に

整理整頓されていた。一カ所を除いて。


「父さん、用事ってなに?…ってその紙の山、どうしたの…?」


父さんが座っている前の机には、大量の紙が積まれていた。

そんなに忙しいのか!?ちょっと父さんが心配になってくる…。


「ああ、これは気にしなくていい。いつもの事だ。

 で、用事なんだが、今度の6月1日の

 アルテス王国貴族会議会の子供の御披露目会で、

 メティスも参加させようと思っててな。

 あぁ、毎年6月1日のアルテス王国貴族会議会は

 各貴族の子供の御披露目会もセットになってるんだ。

 メティスももう4歳だし、いいんじゃないかと思ってな。」


そうだったのか。ちなみに、アルテス王国貴族会議会というのは

アルテス王国の王と貴族が王都に集まり、

各地方の状況報告・国全体の状況報告&確認・今後の国の方針の決定

などを行う、年2回の重要な会議のことだ。

毎年、6月1日・12月1日に行われている。


「御披露目会?大丈夫だけど…何すればいいの?」


「そう緊張することはないさ。ステージがあるから、

 そこで軽い挨拶をするだけだ。今年も多分、

 4家位は御披露目会をするだろうし、いい友達が出来るかもな。」


父さんが笑いながらそう言っている。友達か…。

前世では、ろくにいなかったからなー…。友達とか、うまくできるのか?


「そんなに簡単に友達とか出来るの…?」


「大丈夫だろう。相手も大体、4~6歳くらいだ。

 それに、今から貴族の知り合いがいると、将来楽になると思うぞ。

 貴族同士の関係も大事だからな。」


「そう?じゃあ、とりあえず頑張ってみるよ!」


「おお!名門、フェアルティ家として恥の無いようにな!」


父さんが笑いながらそう言ってくる。


「父さん…。変なプレッシャーかけないでよ‥。」


「ハハッ。メティスなら大丈夫さ。」



その後、父さんと少ししゃべったあと、

そのまま部屋へ戻って、ベットに入った。


御披露目会か…。緊張してきたな。

せめて、父さんたちに恥をかかせないように、

友達くらい作れるように頑張ろう!


そう決意し、そのまま眠りについた。



閲覧、ありがとうございます。

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