1-2.準備完了!
「おーい!起きたらどうだい?」
ふと声がし、目を開ける。
「あ、やっと起きた…。気分はどうだい?」
「いや、別に、普通ですけど…?」
この人は誰だ?ここはいったい?…。俺は確か、車に轢かれて死んだ(?)はず…。
「ならよかった!先にだけど、君から聞かれる前に言っておくね?
僕は君たちが言うとこの神様って人で、
ここは死んだ人が転生のためにくる場所だよ!」
なるほどなるほど。神様で転生か…。
「はぁ!?神様?転生?」
「いきなりそんな大声出さないでよー…。だから、僕は神様って言ってるじゃん。
君は死んだから、今から転生するために準備するの!おっけー?」
…。まぁ、いいか…?
「お、おっけー?」
「じゃあ、転生の準備に入るよ!普通の人なら、前世の記憶を消して
行きたい世界だけ注文を聞いて、すぐ転生させるんだけど…。
君の前世、ちょっと酷かったでしょ?」
転生ってそういうことするのか。酷かったっていうのは、運がなかったり、
貧乏だったりとかのことか?
「まぁ、色々と大変すぎる気はしたが…。」
「あれねー、こっちのミスなんだよね。」
は?今この神、さらっと凄いこと言わなかったか?
あれ、……神様のミス?
「転生させるときに、ステータスみたいなのを作って、
初期値と限界値とか色々設定するんだけど、君の場合、運のとことかが
極端に低くなっちゃってて、あんなことになったの。色々と…ごめんね?」
にっこりしながら神が言う。
「まじかよ…。」
「怒んないの?」
「確かに大変ではあったが、まぁ、もう終わった事だろ?」
少しイラッとしたが、終わったことだ。もういいだろう。
「ふむ。じゃあ良かった!因みにいっておくと、
君が死んだっていう大きな分岐点ができたから、そこを利用して、君の家族は
これからどんどん幸せになるよう修正しておいたよ!だから安心してね~」
そうなのか…。一安心だな。
「で、俺も転生するんだろ?」
「勿論!でも、君は前世色々ありすぎたから、ちょっとサービスつけるよ!」
なるほど。それはありがたいが…
「どんなサービスだ?」
「まず、君の拒否が無ければ前世の記憶をそのままにして、
ステータスを全体的に上げて、他にも君が望むものがあれば、言っていいよ!
あ、それと、貴族の息子にしておくよー」
そう言いながら神様は紙に
[前世の記憶保持]、[ステータス上昇]、[貴族の息子]と書いている。
「なるほど。それはありがたいな。ほかにほしいものか…」
「あぁ、言ってなかったけど、君が今から転生する世界には人族、獣族、
エルフ、吸血鬼、妖精族、魔族とかの種族がいて、魔物もいるよ。」
「色々いるんだなぁ。……てことは、剣や魔法も普通にある!?」
「うん!勿論だよ。
あぁ、それらも簡単扱えるようになるようにしておこうか。」
そう言うと[剣術]、[魔術]と書いている。
「じゃあ、ほかにも適当に色々付けておくね。」
適当にって。ありがたいがどんなのが追加されたのか気になる。
見ようとするが、転生してからのお楽しみ!と言い見せてもらえ無かった。
「よし!おっけーかな?……。
うんうん。大丈夫!よし、それじゃあ転生しようか!」
いきなりだな。いよいよ転生か。
「ああ。いつでもいいぞ。」
ふぅ。と深呼吸をする。
「それじゃあ…。君が
新しい世界で素晴らしい生活を送れるように祈ってるよ!」
そう言うと、さっきまで色々書いていた上に放り投げる。
その瞬間、周りが光り出し、意識が消えた。
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