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6


嫌な『雨』が降っていた。


滴り落ちる汚らわしいこの水は通常、大通りより路地裏の方が多く降る。



今日は大通りまで酷い『土砂降り』だ。




こんな日は身体が軋む。


俺の様な半分機械で出来ている奴にとって、第七階層は住み易い場所とはいえない。



もっとも、他の場所を知らないのだが。



痛みを感じる訳ではないが、こんな日は身体中が劣化した様に感じてだるい。




ガタがきてるのだろう。


この身体のせいで、他人より少々長く生き過ぎた。


この『雨』のせいで、思考まで後ろ向きになる。




仕事に集中しろ。




標的は目の前を歩いていた。


奴の帰路は把握している。



二つ目の路地を曲がる……曲がった。



路地には他に誰もいない。



声帯をゴツい声から可愛らしい女の声色に変え、標的の背中に声をかける。



「……失礼ですけど」



愛想よく振り向いた奴が、ぎょっとした顔をする。


…そりゃそうだろうさ。



標的の眉間に穴が空き、声もなく倒れた。


声をかけたのが若い女じゃなく不細工な大男で悪かったな?


銃を懐に仕舞い、路地を抜け通りに出た。






……クズメシでも喰いに行くとしよう。




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