歌
(紙本臨夢さん、壱宮 和さんから頂いた単語で)
世界の子供たちの幼気な夢が
頑張っても叶わないとすれば
バベルの塔が崩壊する前夜に
鈍い頭で伝えることは無限大
意思の疎通ができるうちなら
落涙の理由を知るのも罪かな
何故に人と人は殺し合うのか
悲しみの果てに思い出すのさ
散々と探してみせた宝の地図
随分と経ってから逆さと知る
流刑地に辿り着いて抱えた膝
残酷な現実だって甘えました
確かに記憶している鍵の在処
空っぽの容器で待つ神の愛は
儚い希望を砕いたこれまでも
もう待っていないで声上げろ
ロックが聞こえないなら俺に歌わせろ
蝋燭の火のような命を生きる薄羽蜉蝣
生まれた意味など探しても無駄だけど
どうせなら燃やし尽くしてくたばれよ
ようやく恐怖を打ち負かして震える喉
どうした寒くなんてないのに震える音
とにかく思いの端くれをぶつけるほど
どれだけ魂魄に響くものが薄れるとも
もう一度のない人生なら俺に歌わせろ
路傍の石のように生きていた薄羽蜉蝣
生み出す価値など求めても無駄だけど
どうせって何もしない奴はくたばれよ
余白のないほどに詩を書き溜めた手帳
戸惑いなく五線の上に舞い降りた音符
止まらない戦慄が誰かに笑われようと
届かぬ想いを歌うことが無駄だろうと




