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烏骨鶏
(紙本臨夢さんから頂いた単語で)
成長した今でも雛のような綿毛
限界を告げるかのようでヤダね
値踏みする価値は自信過剰な
なにもできないチキン野郎さ
三歩目には忘れてしまうのだけど
どうしても憶えていたいよあれも
もどかしい蒙昧な頭
斑模様のみにくい体
だらしなく肉体は肥大
いかにも立派だと自大
偉大な存在だという理解
痛いほどの勘違いの期待
一目置いて貰いたい
一番大きな個体だし
食用に太っていた
たわいなく滑稽な
情けない烏骨鶏だ
だけれども地上では胸は張ったと
飛べない鳥は歩きながら笑ったよ




