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魔法使いのおじさん  作者: 光晴さん
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第7話 初依頼と買い物




自分の家に帰ってきた俺は、リビングで『中級魔術書』を読むことにした。

『魔力操作』をこなしながら本を読むと、なぜか本の内容が理解できる。

さらに、『この世界の常識』や『初級魔術書』などを読み直すと


新しい発見もあるものだ。

なぜなら『初級魔術書』には、錬金術と付与魔法についての記述があった。


『錬金術』

それはポーションなどの薬を作成するには欠かせないもの。

これを覚えることで、ポーションを作れたり鉱物の精製などにも使える。


また上級のポーション作成には必須なものであり、

これからの暮らしには欠かせないものなのだ。


『付与魔法』

はっきり言おう、これはいいものだ!この魔法なくして、無限収納鞄の作成はありえない。

さらに、使い方次第で村の生活が一変する可能性もあるのだ。


読み直したりしていれば、すでに夜になっていた。

明日は『冒険者ギルド』で依頼を受けてみるかな。

そのついでに、畑で育てるものを探してみるか……




次の日、俺は『冒険者ギルド』にやってきた。

ギルド内は、10人ぐらいの冒険者が入り口正面の依頼書が張られた掲示板を眺めて自分たちにあった依頼書をはがして、受付へもっていっている。


俺も今日は依頼を何か受けようと、

掲示板を眺めていると目的にあった依頼書を発見した。

『森の中に自生している薬草の採取』


森の中で食糧や育てることのできるものを探したかったので、ちょうどいい依頼だな。

俺は依頼書を掲示板からはがすと、受付に持っていった。


受付で応対してくれたのは、昨日のお嬢さんだ。

「この依頼をお願いします」

受付のお嬢さんは、俺の顔を見ると笑顔で応対してくれる。


「はい、カードをお預かりします……はい、これで受領しました。

頑張って依頼をこなしてくださいね」

「ありがとうございます。ところで聞きたいことがあるんですが…」


「はい、ご質問などお受けしてますよ?」

「では、まずあなたのお名前を教えてもらえますか?」

受付嬢は、少し驚いていたがすぐに自分が名乗ってなかったのを思い出して教えてくれた。


「すみません、名乗っていませんでしたね。

私は『冒険者ギルド ナルバ村支部』のジェシカです。

これからもよろしくお願いしますね」


「恭也です、よろしくお願いします。

あと、冒険者にはランクという制度はありますか?」

「はい、ございます。ですが恭也さんは『魔術師ギルド』でランクを上げていくのではないのですか?」


あれ?『魔術師ギルド』にもランクがあるのか…

「この村にいる間は『冒険者ギルド』を利用しますので、ランク制度を教えてもらえますか?」

「わかりました。『冒険者ギルド』のランクは全部で6段階あります。

一番下、最初になるのが『鉄ランク』です。

そこから、『銅』『銀』『金』『ミスリル』『オリハルコン』と続きます」


最初は『鉄ランク』からか…

「そのランクは、このカードに記載されているんですか?」

「ええ、カードに『冒険者 ランク鉄』と表示されているはずですよ」


俺はカードをよく見ると、確かに記載されていた。

魔術師ギルドの所には『魔術師 ランク中級』と記されている。

おそらくこれは、購入した本のランクで変わるのだろうな…


「確かに表示されてました、教えていただきありがとうございます」

「はい、ではケガの無いように依頼を頑張ってくださいね」

「はい、では行ってきます」


ジェシカさんは手を振って、行ってらっしゃいと見送ってくれた。

こういうの、いいな~




俺は村の北側から外に出られる門をくぐり、目の前に広がる森に入っていく。

森の中はまだ入ってきたばかりなので、明るく足元がよく見える。

俺は、ここで試しておきたい魔法を唱える。


「え~と、【探査】

!? なんだこれ…情報がありすぎて、パンクしそうだ…」

俺は魔法を解除すると、今度は限定させて魔法を使用する。


「今度は、【薬草 探査】

今度はうまくいったな、森に自生している薬草だけがわかるようになったな」

俺は自生場所を覚えて、今度は魔物や獣の探査をしてみる。


「命あっての物種だからな、【魔物・獣 探査】」

近くにいないことを確認すると、薬草集めに森の中を進んでいく。

時折、食べられるものも探査してアイテムボックスに採取していく。


さらに、畑で育てられそうなものも探査で調べて採取していく。

森に入り3時間ほどで、魔物や獣に出会うことなく目的のものを採取することができた。


俺が森の中で見つけたのは、リンゴ、ジャガイモ、胡椒、岩塩、の4つ。

この中で畑に飢えるものはジャガイモ。

でもそれだけではいけないと思い、ギルドの中にある雑貨屋で探してみるつもりだ。


胡椒と岩塩は、また取りに来ればいいだろう。

リンゴはおやつだな。魔法で冷やして食べるのも今の時期にはいいかもしれない。

最近は、暖かくなってきたようだから季節は春なのだろう。




森を抜け、村に帰ってきた俺はすぐにギルドへ向かった。

ギルド内の雑貨屋に寄るのと、依頼品の納品だ。

俺はアイテムボックスを持っているので、品質の劣化はない。


『冒険者ギルド』にたどり着き、受付に向かうとまだ依頼から帰ってきていた冒険者はいなかった。

俺は受付のジェシカに、依頼完了の報告と依頼品の納品をすると驚かれた。


「すごいです、恭也さん。こんなに早く依頼を終わらせるなんて」

「え~と、早すぎましたか?」

「早いと思いますけど、依頼品の状態は良好ですから問題ないと思います」


笑顔で受け答えしてくれるジェシカに癒されながら、受付を後にする。

「また、お願いしますね」

と笑顔で手を振ってくれるジェシカは、いい人だなと思う。



俺はギルド受付から離れると、今度は雑貨屋へ入っていく。


雑貨屋の中にはいろんなものが並べられていた。

小さいものは何かの種だろうか?大きいものは家具が2個ほど並べられている。

カウンターにいた、女性が俺を発見して声をかけてくれる。


「いらっしゃいませ、何をお探しですか?」

「え~と、畑にまく種と料理に使う道具一式、あとは野菜とかありますか?」

「野菜は7日に1度、中央の広場で市場が開かれますから

そこでの購入をお勧めします。料理に使う道具一式はこれで大丈夫だと思います。


畑に蒔くなら、こちらの野菜類を蒔いて市場で売るといいですよ」

「なら、その種と道具一式をください。あと服ってあります?」

「服はそちらにかけてあるものだけですね。

もっと種類がほしいなら、町へ出かけて買うしかないですね」


俺はかけてある何着かの服を選び、下着と裁縫道具一式を購入した。

久しぶりのまとめ買いをする客にホクホクの女性だった。

「ありがとうございます、全部で銀貨37枚になります」


俺は金貨1枚を出して、お釣りの銀貨を受け取り雑貨屋を後にした。

購入したものは、すべてアイテムボックスに入れられるので

手ぶらで、冒険者ギルドを出て行く。






読んでいただきありがとうございます。

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