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魔法使いのおじさん  作者: 光晴さん


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閑話3 王様は頭を抱える





王都の王城の執務室で、この国の王様は頭を抱えていた。

「う~む、参ったのう……」


その執務室には、他に宰相様と皇太子様。

そして、皇太子さまの1つ下のお姫様が王様と一緒になって考えていた。

「お父様、そのように考えずによい方向に考えませんか?」


王様は、短いあごひげを触りながら姫様に意見していた。

「しかしのう、この報告はいささか問題じゃぞ?」

「そうですねぇ、この報告はこの国に戦争を招きかねませんねぇ」


「宰相様まで…」

「エリザベス、この報告はもっと深刻に考えた方がいいと思うぞ」

「アルフレッド兄様まで、そのように…」


「だがの、ダンジョンから『ミスリル鉱石』が大量に発見されたなど

世の中の経済が大混乱じゃて…」

「宰相様、そのようなことが起こりうる量なのですか?」


宰相と呼ばれた男は、姫様を真剣に見ると

「かなりの量だと報告を受けています。

現在市場に流れている『ミスリル鉱石』は、すべて『レビュラント帝国』の

南に位置する『バルミュート王国』産でございます。


これが我が国から出た『ミスリル鉱石』が市場に出れば、

『ミスリル鉱石』の価値が下がり、『バルミュート王国』が損害を受けます。


そうなれば、『バルミュート王国』と同盟関係にある帝国が黙ってないでしょう。

これ幸いにと、我が国に侵攻するは確実かと…」


姫様はその話を聞き、顔を青くした。

「これ宰相、あまり姫を脅かす出ないわ。

姫よ、今までにもダンジョンから貴重な鉱石は出ているのじゃ。

『ミスリル』をはじめ、『オリハルコン』もダンジョンから出ておるぞ」


「では、今までにも混乱が起きたのですか?」

「エリザベス、今までのダンジョン産の鉱石は量が少なかったんだよ。

それに、純粋な鉱石でもなかったしね」


王様は頷きながら、

「さよう、今回のダンジョン産の問題は量もさることながら

その純度が、最も問題なのじゃ」


「私どもも、提出された『ミスリル鉱石』を調べて驚きました。

その純度、94パーセント。

そのまま、インゴットにしても良いくらいの物です」


「じゃが、今回はその純度のおかげで貴族どもに横取りされずに済んだがの」

「複雑な心境ですよ、父上」

「あの、純度が高いことでなぜいけないのか今一つ分からないのですが…」


「おお、すまんな。

姫よ、世に出回っている『ミスリル鉱石』の純度は

どんなに高い物でも60パーセントじゃ」


「はい、それが94パーセントともなれば

今まで『ミスリル鉱石』で作ってきた武器や鎧をはじめ、

かなりのものが不良品扱いになるやもしれません」


姫様は、まだ少しわかっていないようで考え込んだ。

「いいかいエリザベス、今までの『ミスリル鉱石』で作った剣と

今回ダンジョンで見つかった『ミスリル鉱石』で作った剣では、

魔法伝導率が違うんだよ」


姫様は、ハッと顔を上げる。

「ミスリルは魔法伝達が優れた鉱石、ですがその純度で魔法伝達の

量が変わり、魔法の威力が変わるということですね」


「その通りです、今回のミスリルを魔法使いが使う杖などに使用すると

魔法使いの魔法の威力が変わり、

その魔法使いを使っている国の戦力が変わるということです」


「だから、お父様はお悩みになってたのですね。

私たちの国の戦力が強化されて、周りの国々の脅威になりかねないから」

王様や皇太子さまに宰相様は、ホッとして頷く。


「ようやくわかってくれたか…」

「…それにしても、この解決法はやはり内密に

国ですべて買い取るしかないのではないですか?」


「う~む、宰相、予算はどうなのだ?」

「そこは問題ありませんが、最大の懸念は貴族たちをどうするかでしょう…」

「そうですね、今回のダンジョン探査に協力した貴族は

確実にこのことを問題にするでしょうね…」


王様はますます頭を抱えてしまう。

「ポーションのことを引き合いにして、貴族どもをあおったのが裏目に出るとはな…」

宰相様も、皇太子さまも悩み始める。



「あの、宰相様。

ダンジョンの探索はすべて終わりましたの?」

「ん、ああ、いえ、まだ終わっておりません。

『ミスリル鉱石』が出てきた階層が問題になり、今はそこで止まっております」


「何階層ですか?」

「29階層ですね。姫様、それが何か?」

「お父様、その『ミスリル鉱石』を

冒険者たちのために使ってしまってはいかがですか?」


姫以外の3人は首を傾げて、

「冒険者たちのためにか?」

「ええ、国のためではなく冒険者たちの戦力強化に使ってしまうのです。

冒険者ギルドは、国のことには不干渉が一般的。

冒険者たちが国のために戦うは、その国に家族などがいるから。


だからこそ、冒険者ギルドに、冒険者たちに丸投げしてはいかかですか?」

「……言い訳はたつかのう?」

王様は宰相様に、判断をうかがう。


「確かに冒険者ギルドが表に立てば、すぐに戦争とはならないでしょう。

ダンジョンの管理は領主の役目ですが、それは住民の安全確保のため。

ダンジョンから出てきた品物までは、責任を負うことはできないという


言い訳は通りそうですな」

「ならば、そのように手配を頼む」

「エリザベスの意見が通ってよかったな」


皇太子さまは、姫様の頭を撫でていた。

だが、世の中そんなに甘くはない。

このことで、帝国と少しだけもめるのだが戦争には発展しなかった。



その代わり、貴族たちによる内戦が始まろうとしていた。







ここまで読んでくれてありがとう。


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