第38話 明日からの行動
「はあ~~~」
私たちは今、お風呂に浸かっている。
リビングでいっぱい泣いた後、恭也様にお風呂に入るよう言われて
私たちは、アミちゃんとクロエちゃんを伴って入りに来た。
最初は、見るもの触るものすべてに驚いていたが
恭也様の言う裸の付き合いをすると、仲良くなれるらしい。
クロエちゃんの体を洗い、髪を洗うと今までの汚れが落ちていくように
心が洗われているような感じがする。
その証拠に、私の隣でお湯につかっているクロエちゃんの表情は
晴れやかだ。
アミちゃんを洗ってあげてるエリーも、自分の体を洗っているユニも
最初はこうでしたね…
「あの、シャル様は…」
「フフ、クロエちゃん。様はいらないわよ」
「はい。あの、シャルさんはその、奴隷なのですか?」
クロエちゃんが、私の首のチョーカーを見て聞いてくる。
「ええ、そうよ。私は恭也様の奴隷よ」
「……あの、エルフだからですか?」
あ、そうか。『フィルバニー』は人族主上主義の国。
人族が他の種族を導くって教えだったわね。
「ううん、違うのよ。私は、ある事件で奴隷にされたの。
それでオークションで恭也様に買っていただいたってことね」
「そうなんですね…」
クロエちゃんが、何か安心した雰囲気ね。
「恭也様のことが、気になるの?」
「ぶふぇ、いえ、あの、その、ブクブク」
ああ、クロエちゃんがお湯の中に潜っていく。
私はすぐにクロエちゃんを助け出し、お風呂のふちに上げて座らせた。
「大丈夫? クロエちゃん」
クロエちゃんは少し咳をして、落ち着いたようだ。
「もう大丈夫です…」
そこへ体を洗い終えたアミちゃんと、ユニがお湯に入ってくる。
「クロエちゃんは、恭也様のことが好きなんですね」
ああ、核心を…クロエちゃんの顔が真っ赤だ…
「…私も好き」
私はユニの方を見ると、顔を少し赤くしたユニがドヤ顔をしていた。
ユニの告白を体を洗いながら聞いていたエリーが、参戦する。
「もちろん、私だって先生のこと大好きですよ~」
すると、アミちゃんも少し小さな声で
「…私も…です…」
「フフフ、みんな恭也様のことが大好きなんですね」
「…シャル姉様は?」
ユニの質問に、みんなが私の答えを待っている。
「はい、もちろん私も大好きですよ」
「…うん、安心した」
恋のライバルな関係なのに、安心したとは意外な答えですね。
「みんなが恭也様のことを好きになっていいの? ユニちゃん」
ユニは頷いて、
「…みんな先生のお嫁さん」
……フフフ。そうですね、みんなで恭也様と結婚すればいいのですね。
エリーが体を洗い終わって湯船に入ってきて、
「みんなで先生のお嫁さんになったら、毎日楽しそうだね」
「…もちろん楽しい」
その後はみんなで笑っていました。
アミちゃんもクロエちゃんも、これからこの家で一緒にやっていけそうです。
何か、お風呂から皆の笑い声が聞こえる…
まあ、楽しく入っているならいいか。
それにしても、うまく治療できてよかった。ぶっつけ本番なところがあったけどうまくいった。
治療中にアミちゃんとクロエちゃんを『鑑定』したけど、
何の職業にもついてなかったな。
しかも何のスキルも習得してなかった。
けど何とかなるだろう、1年前のエリーやユニもそうだったのだ。
アミちゃんとクロエちゃんも同じだ、この1年で成長させる。
でも、その前に体を作らないとな。
1日3食、おやつは無くてもいいけど。
よく食べて、よく学んで、よく働いて、よく遊ぶ。
うん、これで行こう。あとは魔法も覚えて、武器とか使えればいいかな…
これから先、アミちゃんとクロエちゃんがどんな女の子になるか楽しみだな。
これからのことを考えていたら、シャルたちが風呂から出てきた。
「みんな、ちょっと集まってくれるか?」
「はい」
みんなが、赤い顔をして集まってくる。のぼせたのか?
みんなが集まってくれたところで、明日からのことを話しておく。
「明日からのことなんだが、まず、服を買いに『ナルキド』の町へ行きます」
「アミちゃんとクロエちゃんの服ですね?」
「そう、これからこの家で暮らすんだし一通りそろえないとな」
「あ、ありがとうございます」
アミちゃんはお礼を言ってきて、クロエは頭を下げている。
アミちゃんは言葉で、クロエちゃんは行動で示すタイプのようだな。
「でも先生、なぜ町までいくんですか?」
「それは、今この村のお店が冒険者ギルドにある雑貨屋1件だけだってことだな」
「あ、そうか。新しく村の住人になった人たちが…」
「そう。でも、ギルドで依頼として出ると思うぞ『町へのお使い』とかで」
この村にお店が1件だけだったのは、自給自足が成立していたからだが
急に人が増えたからな。
需要と供給のバランスが崩れて、今この村では物不足だ。
『ナルキド』の町へのお使い依頼や、行商人を呼ぶためにギルドは大忙しだろう。
こんな時だから、町へ行って買い物をする。
ついでに依頼を受けて、依頼を完遂すれば一石二鳥だな。
「さて、明日は忙しくなりそうだし、夕食を食べて早めに寝ようか」
「「「はい」」」
シャルとエリーとアミが返事をして、ユニとクロエが頷く。
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