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魔法使いのおじさん  作者: 光晴さん


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第31話 戦争の足音




『ナルバ村』の近くの草原でシートを広げてそのうえで昼食をとる俺たちに

2人の見慣れない鎧を着た兵士が、近づいてきた。

「先生、あの人たちは…」


「何かありそうだから、俺以外喋らないようにな」

3人は俺の提案に頷いて同意を示した。


兵士が近づいてくると、その鎧に記されている紋章がよくわかる。

見たことない紋章だな、こんな時は『鑑定』を発動。

……『フィルバニー聖王国』



『フィルバニー聖王国』は、聖神フィルバニーを信仰し

聖神様の教えによって、人類をさらなる高みへと導こうという宗教国家。

いわゆる、人類主上主義の国。



うん、宗教が政治に絡むと即なことがないな。

ここはおとなしくやり過ごすか…

そんなことを考えていると、兵士が話しかけてきた。


「すまんが、このあたりの者かな?」

この兵士は、背が高く180はあるようだ。剣も2本帯刀していて

なかなかの使い手と見えた。


「はい、そこの村の冒険者です」

「大変申し訳ないんだが、

その美味しそうなものを私たちにも分けてもらえないだろうか?」

俺達が食べている『ホットドッグ』を指さして、聞いてくる。


「ええ、かまいませんよ」

俺は気前良く、2人の兵士にそれぞれ1個づつ分けてあげた。

「では、ありがたく…」

もう1人の兵士が、お礼を言って『ホットドック』にかぶりつく。


「「美味い!」」

背中に盾を装備し、剣は腰に。

おそらく剣と盾を使った戦い方をするのだろう。

この兵士は、一心不乱に食べていた。


「いやすまんな、団らんの所をお邪魔してしまって」

2剣の兵士が、誤ってくる。

「いえ、お気になさらずに。お腹が空くのは誰でも一緒ですから」

「時に、そこの奴隷はあなたの?」


シャルを指さし、俺に聞いてくる2剣の兵士。

「ええ、森は危険なので自然に強いエルフが役に立ちます」

うんうんと頷く兵士。

エリーとユニは少し機嫌が悪いが、俺の言いつけは守ってくれている。


「人類以外の種族は、我々が導いてやらねばな…」

2剣の兵士は、本気でそう思っているようだ。

「しかし、美味いパンだったな。すまんがもうないのか?」


盾剣の兵士は名残惜しそうに聞いてくるが、

「残念ながら、これでおしまいです」

「それは残念、美味しかったのだがな…」

2剣の兵士は、苦笑いを浮かべている。


「それはそうと、2人はどうしてここに?この村には何もないと思いますが」

「ああ、私たちは王都へ向かう予定なのだ。届け物があってな」

「おっと、それを忘れていた。急がないと…」


兵士2人は、すぐに来た方向に向かっていく。

「それでは、さようなら~」

と声をかけると、手を振ってこたえてくれた。



兵士たちが見えなくなると、シャルが俺の腕をつかんでくる。

「あの、その、えっと、私…」

俺はシャルの頭をやさしく撫でてやると、

「あの兵士たちは宗教国の兵士だ、ああ言わないと何をしてくるかわからん」


「それにしても先生、何しに来たんでしょうか?」

「おそらく偵察だろう。

街道から離れたこの村に用はないが、戦力は気になるってところだな」


「…襲われる?」

俺は少し考えると、アイテムボックスから『偵察ゴーレム』を取り出し

「調べてみるか…」

と、上空へ飛ばした。



『偵察ゴーレム』

これは偵察を目的に作ったものだ。大きさは鳩ぐらいで

全身は鳥の形をしたブーメランといったところか。

このゴーレムには、飛行魔法や映像魔法を付与してあり


ゴーレムの見た映像は、ヘッドマウントディスプレイ型魔道具に転送され

あたかも自分が見たように見えるのだ。

主に魔物の集落や位置などを、上空から調べる目的に使っている。



まず村の上空を偵察するが、いつもと変わらない村の風景が移った。

「村は異常なしだな、次に行くか…」

今度は、砦にゴーレムを飛ばすと上空からとんでもない映像が見えた。

「どうやら、砦が落ちているようだな…」


シャルは心配そうに、俺に話しかけてくる。

「あの、砦が落ちたって…」

「ああ、砦にこの国の兵士は見えない。

代わりに『フェルバニー』の兵士がたくさん見えるな…」


「…危機的状況?」

「う~ん、この国の兵士は捕虜になっているか全員殺されたか分からないな。

でも『フェルバニー』の兵士は、100人ぐらい見える」

「先生、それってどうゆうことだと思いますか?」


「おそらく、砦を落としてその場を確保し

本体との合流を待つ…といったところだろう」

俺は、ゴーレムを国境へ移動させた。


「……間違いないな、国境にすごい数の兵士がいるな。

後ろには馬車や馬に乗った騎馬部隊か?かなり続いているようだ」

『偵察ゴーレム』を引き返させると

「さっきの2人の兵士は、街道沿いの偵察だったようだな」


エリーはシャルと震えながら、

「先生、戦争が始まるんでしょうか?」

俺は考えながら、答える。

「う~ん、こればっかりはわからないな。

この国がどう出るかで戦争ということもあるだろうが、

この国にはあれがいるからな」


「…あれ?」

ユニが首を傾けて聞いてくる。うん、かわいいな。

「『勇者』と『異世界人』だ。それも1000人近くのな」


「そう言えば恭也様も、異世界人でしたね」

「だからな、この国がどんな態度で『異世界人』に接していたかで

戦況は大きく変わる……と思う」

俺は帰ってきた『偵察ゴーレム』をしまうと、みんなに向き直り


「とりあえず、村に帰るか」

そう言って、みんなと一緒に村へ帰ってきた。






ここまで読んでくれてありがとうございます。


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