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魔法使いのおじさん  作者: 光晴さん


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第28話 精霊の声よ、再び




街道沿いにある野営地に指定されている広場に、たき火が燃えている。

傍には『ゴーレム馬車』が止まっており、火の傍に男が一人座っていた。


うむ、なんか俺がかっこよく書かれている感じがするな。

そんなことを考えながら俺は時間をつぶしていた。


今は夜中の1時、この世界に来てから時間の感覚は大雑把になったが

時計は召喚されるときにしていたので、それを見れば大体わかる。

弟子のエリーとユニは、座席を倒して寝ているし


シャルは、起きてきたみたいだ。



「恭也様、交代しますか?」

シャルは俺の傍に立ってこういうが、俺が隣に座るように言うと

「俺は眠くないから、このままでいいよ。シャル、俺の横に座ってくれ」

「はい」


素直に俺の傍に座ってくれる。

いい機会だから、ここでシャルを救っておくかな。


俺はシャルの目を見つめて『鑑定』を使うと、今の状態がわかる。

「シャル、目を閉じてくれるか?」

「えっと、その、あの……」


シャルは戸惑い、ドモリ、恥ずかしがりながらも目を閉じてくれた。

俺は、シャルの頭に手を置いて優しく優しく撫でていく。

「あっ」


撫でていくにつれ、シャルは笑顔になり緊張がほぐれていくようだな。

「……シャル、今『精霊魔法』が使えないだろう?」

俺のその一言に、再び緊張する。


俺はシャルの頭をやさしく撫でながら、話を続ける。

「いいんだよシャル、原因はわかっているから。

シャルを守る精霊たちよ、今までシャルを守ってくれてありがとう。

これからはシャルと一緒に生きていこう?


シャルも君たちとともに、生きていくことを望んでいるよ……」



すると、シャルの全身が淡い光を放つと子供の声がどこからともなく聞こえる。

『シャルちゃんは、もう安全なの?』

俺はその声に、優しく答えていく。

「ああ、君たちが守ってくれたからね。もう安全だよ」


『シャルちゃんと、また遊べるの?』

「もちろん、また遊んでほしいな」

『そっか~、よかった~』

シャルは俺に撫でられながら、涙を流している。


「聞こえる……みんなの声がまた聞こえた……」


そう言うと、シャルの全身の光は収まっていった。

「シャル、もう『精霊魔法』が使えるだろう?」

シャルはまだ涙を流しながら、手で顔を覆って頷いていた。


「シャルを鑑定した時、スキルの『精霊魔法』が使えないとわかったんだ。

そして、その原因もね」

シャルは、顔を覆っていた手を下すと

「その原因って、私を守るため?」


「そう、精霊たちは友達であるシャルを全力で守っていたんだよ」

「だから……だから声も聞こえなかったんだ」

「でも、今はもう声も聞こえるだろう?

精霊たちも、シャルはもう大丈夫だって分かったから今は休んでいるんだよ」


「ありがとうございます、恭也様。私、私……」

「それならもう寝なさい、もうすぐ夜明けだ。

今日の夕方には『ナルキド』の町につくと思うから」


シャルは、素直に頷くと立ち上がり『ゴーレム馬車』の中に入っていった。

「……鑑定って、見た人の悩みまでわかるんだな」


でも、精霊の声が聞こえたってことは……

おお、魔法スキルの中に『精霊魔法』が表示されている!

フフフ…、自然に『精霊魔法』を習得していたぜ~


俺は笑みを浮かべながら、夜明けまで本を読んで過ごしていた。




街道を走る1台の『ゴーレム馬車』は、ようやく『ナルキド』の町に到着した。

俺は一緒に乗っていた3人に、今日はこの町の宿に泊まることを話す。

そして、町の入り口で『ゴーレム馬車』を下りると


『ゴーレム馬車』をアイテムボックスに入れ、4人で歩いて町の中へ。

そして宿を探し、1件の宿に到着した。


「すみません、1泊お願いします」

「は~い、ようこそ『森の泉亭』へ。4人部屋でいい?」

この宿のおかみさんだろう女性が一緒の部屋を進めるが、


「いえ、3人部屋と1人部屋をお願いします」

「わかりました、では201と203の鍵を渡しておきますね」

「え~と、どっちが3人部屋ですか?」


俺が3人部屋がどっちか聞くと、おかみは笑顔で応対してくれる。

「うちの宿は、全部屋3人部屋なんですよ」

「なるほど。では、1泊ですがお世話になります」

「はい。ではこちらに記帳をお願いしますね」



宿の部屋に別れると、俺は一人でベッドに横になるとそのまま寝てしまった。

やっぱり疲れていたのだろうな。

翌日にシャルたちが起こしに来るまで、ぐっすりだったよ。



宿を後にして、町を出ると再び『ゴーレム馬車』で村を目指す。

「もうすぐ『ナルバ村』だ。

みんな俺の家に住むことになるけど、大丈夫?」


シャルは笑顔になると

「どんな生活になるか楽しみです」と本当に楽しみにしているし

エリーとユニは、

「先生と暮らして、たくさん魔法を覚えますよ」とこれまた楽しみにしていた。


これなら、みんなで田舎暮らしも楽しくなりそうだ。






今回も読んでくれてありがとうございます。


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