第20話 王都オークション1日目
オークションまでの残り2日間は、宿の部屋で過ごした。
『上級魔術書』はなかなか読みごたえがあったな。
そして、この魔術書にはあれが載っていた。
そう、みんなが異世界人が絶対覚えたい魔法。
『飛空魔法』!異世界に来たら絶対してみたいことベスト10に入っていることだ。
勿論、覚えましたよ。ベッドの上で、浮かんでいました!
……だって、落ちたら危ないじゃん。
だから『飛行』の前に『浮遊』を覚えたのだ。
さらなる安全対策に、『風クッション』の付与を腕輪にして
もし魔力切れなどで落ちた場合、地面と1メートルぐらいの距離で発動し
激突を防ぐ魔道具も開発しておいた。
……部屋の掃除ができないと、宿の人に怒られたのはいい思い出だ。
あと『音魔法』なんてのもあった。
『遮音結界』は、中の音が漏れないようにできるので鍛冶魔法の音も
外に漏れず、魔道具の製作ができた。
勿論、片づけた後【クリーン】できれいにしたがね。
そう言えば、この上級魔法から『光魔法』と『闇魔法』を覚えられる。
この2つの上位が『聖王魔法』と『暗黒魔法』だが、
『暗黒魔法』は種族魔法、『聖王魔法』は天使に認められないと覚えられないらしい。
そのため、2つ一緒に覚えれる人はいない。
まあ、俺は持っているスキルのおかげで覚えることができるんだけど…
それはともかく、今日からオークションが開催される。
1日目の今日は、『武器オークション』
商人ギルドで配られたパンフには、注目商品は『聖剣レービス』
その昔、魔王と一騎打ちをした異世界人の勇者が持っていた一品。
他にも、『魔剣』や『聖槍』など、多種多様だ。
……でも俺のほしい武器はないんだよな~
だから、今日の俺は冒険者ギルドで依頼探し。
1日で出来て、町中でできるものを探す。
さて、やって来ました冒険者ギルド。
今日も掲示板の前はすごい人です。俺は遠くから掲示板を確認。
何か、町中でできる変わった依頼はないかな…
掃除依頼があるな、これにするか。
『宿の部屋掃除をお願いする』
俺はこの依頼書を掲示板からはがして、カウンターの受付嬢へ。
幸い、冒険者たちが並んでいなかったのでスムーズに手続きを完了。
依頼人の宿までの地図をもらい、冒険者ギルドを出て行く。
20分ぐらい歩いて目的の宿『ドーラン亭』に到着。
中に入って声をかける。
「すみません、冒険者ギルドから依頼を受けてきました」
「おう、お前さんが依頼を受けてくれたのか?」
出てきたのはガタイの大きな男性。顔は美丈夫だが体つきはどこかの傭兵だな。
この人が宿の主人だろう。
「はい、よろしくお願いします」
「じゃあ、一番上の部屋から始めてくれ。今お客は全員
オークションに出かけていないからな。これがマスターキーだ」
俺は、マスターキーを受け取り階段を上ろうとしたとき
「それと、お客の荷物には手を出すなよ」
と、低い声で言われたので
「了解です」と答えておく。
たぶん、前に依頼を受けた冒険者が手を出してしまったのだろう。
宿の主人として、そういう注意は当然なので俺は別に気にしない。
早速、最上階の部屋から始める。
最上階は、その階層全部が部屋になっている。俺は鍵を開けて中へ入ると
一部屋一部屋、真面目に【クリーン】をかけていく。
なので10分以内で終わってしまった。
ドアに鍵をかけて、下の階へ。
この階から下は全部同じ大きさの部屋になっている。
なので、一部屋一部屋、真面目に【クリーン】をかけていく。
30分ほどで残り、1階のみになった。
魔法で掃除をすると、本当に早く終わるな~
俺が1階へ降りてくると、宿の主人が急いで現れる。
「どうした!何か問題でもあったか?」
「いえ、あとは1階のみになったので降りてきたんですけど…」
主人は驚いて「そんなバカな…」と呟くと、急いで階段を上がっていく。
俺は、受付そばの椅子に座って待っていると
バタバタと急いで主人が下りてきた。
「おい、どんなやり方をすればあんなにきれいになる!完璧すぎるだろ!」
今にも掴みかかりそうだったので、すぐに「魔法です!」と答えた。
主人は少し考えて、すぐに奥へと入っていくと
「おーい、ついてきてくれ!」と、俺を呼んだので後をついて行く。
主人の案内した場所は、お風呂。
「俺の目の前で、この風呂場を掃除してみてくれ」
「わかりました」
俺は、脱衣所に入ると周りを見渡し【クリーン】をかけた。
すると、一瞬のうちに脱衣所が新品になった。
主人の方を振り返ると、目玉が飛び出るかってほど驚いていた。
そんな主人を置いて、風呂場へ入ると周りを見渡し【クリーン】をかけて新品に。
俺が脱衣所に戻ると、主人が俺を見てお礼を言ってくれた。
「ありがとう、いい仕事するなお前!」
「どうも」
この後、1階全部をきれいにして依頼は完了した。
宿の主人は俺が帰るころには上機嫌で、見送ってくれた。
冒険者ギルドで、完了の報告と報酬をもらうと俺の泊まっている宿に帰った。
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