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魔法使いのおじさん  作者: 光晴さん
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第16話 オークションに向けて




『ナルバ村』へ向かう俺のゴーレム馬車には、母娘が乗っている。

『ナルキド』の町への街道沿いで、ケガをして倒れていた母を救おうと

俺のゴーレム馬車に、合図を送っていた女の子。


女の子の名前は、リズ。

母親の名前は、アリーヤ。

実はこの2人、冒険者ギルドの食堂で働く母娘の親戚だそうだ。


アリーヤさんが、食堂で働く女性アマンダさんの妹さんだそうで

アマンダさんの娘シャルロットちゃんとリズちゃんは幼馴染だった。


今回はアリーヤさんたちが、アマンダさんたちを訪ねて村に行くところを

『ナバル村』のさらに奥にある砦から来た兵士たちに襲われたそうだ。

ただ、かなり酔っていたことから罪に問えるかどうかわからないと言っていた。


俺はとりあえず、冒険者ギルドに相談してみればとアドバイスしておいた。


砦に常駐する兵士たちは『ナルキド』の町にある兵士詰め所から派遣されている。

貴族が派遣されたり、騎士団員が派遣されたりするが基本兵士が派遣される。


隣国、しかも仲のあまりよくない通行を制限されている国境の警備とくれば

ストレスも相当だろう。だからと言って、今回はひどい事件だな。




『ナルバ村』につくと、すぐに冒険者ギルドへ向かう。

アリーヤさんとリズちゃんはお礼を言って、ギルドへ入っていった。

俺はそれを確認すると、再び村を出て『ナルキド』の町へ進んだ。



さて、人助けをして遅くなったが俺が今回町へ行くことになったのは

ゴーレム馬車を作って、オークションに出品して売ることにしたからだ。


実は何日か前に、冒険者ギルドにオークションの開催のお知らせが

張り出されていた。ジェシカさんに聞いたところ、

年に2回あるオークションで、今回は王都で開催されるそうだ。


さらに、出品は誰でもできるらしく全5日間で行われるためお祭りになっている。


そこで、ここでドンと稼ごうとゴーレム馬車を出すことにしたのだ。

ジェシカさんにゴーレム馬車はめずらしくないと、前に聞いていたので

自分の名前で出すことにした。


ただ、いくら珍しくないとはいえこの国では珍しいものになるため

高く売れるから、手抜きなどはしないようにと注意された。


どうやら、オークションに出す商品には手抜きのものもあるそうだ。




それはともかく、『ナルキド』の町に到着した俺は入り口でゴーレム馬車を下りて

アイテムボックスへゴーレム馬車を入れる。

そして、歩いて町に入り買い出しへ。



まずは材木。ゴーレム馬車は基本木製だ。

村の森でゴムらしき木を見つけたので、車輪は錬金術で特別製にしてあるが

修理しやすいように木製にする必要があるのだ。


あとは、魔石だけどそれは森の魔物をかなり倒して手に入れているから

買う必要なし。それから内装に必要な、布、綿、鉄を少々。


何台か試作するから、3台分の材料を購入。

あと、ゴーレムバイクを作ってみたいからその材料分も購入。



次に市場に来てみた。

早朝ではないので、ある程度野菜などは売れてしまっているが

いろいろ物色しながら購入していく。でも、砂糖とかはやっぱり高いな…


塩などの調味料も購入していき、最後に小麦粉を購入。

村の青空市場でも購入できるものはあるが、7日に1度だからタイミングがな~


必要なものを購入し終わると、懐が寂しくなったので冒険者ギルドへ。

ここの冒険者ギルドでも、買取などしてくれるので足を運ぶ。



冒険者ギルドへ入ると、受付で何かもめていた。

冒険者の男が、受付の女性に文句を言っているようだ。

それを止めたり、なだめたりするギルド職員や男の仲間らしき人たち。


俺は、もめ事に首は突っ込まない主義なのでほっといて掲示板へ。

お昼近くになると、残っている依頼書は採取ものと護衛依頼など。

俺は、掲示板の端にあった『フォレストウルフの毛皮5枚買取』の依頼書をはがし


もめてない受付へもっていく。

「この依頼をお願いします」

隣のもめ事を見ていた受付嬢は、俺に向き直り笑顔で

「わかりました、カードを提示してください」


俺はカードを出して、手続きが終わるのを待つ。

その間に隣の会話を聞くと、どうやら隣の男のパーティーが受注していた依頼を

貴族の子息たちのパーティーに横取りされたそうだ。


しかも、受注は隣の男のパーティーだから納品も男のパーティーができるはずが

貴族の子息たちは受注もしていないのに、納品して依頼完了となったそうだ。


どうもギルド職員の中にその貴族とつながっていた人がいたらしく、

そのことで文句や愚痴を喚き散らしていた。

……やはり貴族関連は、もめ事が多いな。



受付嬢から、カードを返してもらいすぐに納品受付へ移動。

この町の冒険者ギルドは、村のギルドとは違い受注受付と納品受付は分かれている。


納品受付で、カードと『フォレストウルフの毛皮』5枚を出し

報奨金、銀貨70枚を受け取り依頼完了となった。

カードを返してもらい、ギルドを出て行く。



冒険者ギルドを出て、ため息を吐く。

俺も貴族には気を付けようと心に近い、『ナルバ村』への帰路についた。







読んでいただきありがとうございます。


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