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魔法使いのおじさん  作者: 光晴さん
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第14話 付加価値




俺は、アイテムボックスに入った『ボア』の解体済みのものを

外に出さずに確認しようとすると、頭に浮かんできたので確認する。


ボアの毛皮・ボアの肉・ボアの骨・ボアの内臓・ボアの牙・ボアの爪。

この6つに分かれていた。

「解体魔法はちゃんと発動していたな…」


俺は『ボアの毛皮』を外に出し、【クリーン】の魔法をかけると

再びアイテムボックスにしまう。

どうやら、ノミなんかの掃除はできないみたいだ。



俺はこの日の夕方まで、森で狩りを続け解体魔法で獲物を解体実験していた。

ボアやフォレストウルフに森ウサギと、食べられそうなものばかりを狙って。




夕方の冒険者ギルドは、小さな村とはいえ賑わっていた。

俺は、正面の掲示板で買い取ってくれるものはないかと依頼書を確認していると

何枚か発見する。


「フォレストウルフとボアを買い取ってくれそうだな…」


俺は買取依頼を確認すると、ジェシカさんの列に並んだ。

3人ほど、俺の前に並んでいたが10分ほどで順番が来た。


「あら?恭也さん、どうしましたか?」

「森でボアとフォレストウルフを狩って解体したんで、買取をお願いします」

「ちょっと待ってください」


ジェシカさんは、後ろにいた職員の女性に支持を出して受付を交代してもらった。

「恭也さん、こちらへお願いします」


ジェシカさんについて行くと、2階へ上がる階段横にある扉に入っていく。

「こちらへ、どうぞ」

ジェシカさんに促されて、俺も入っていく。


中に入って分かったが、この部屋はどうやら商談などを行う部屋みたいだ。

俺に座るように椅子を勧められたので、そこに座った。

ジェシカさんは、俺の正面に座ると


「それで、買取ということですが恭也さんが解体を?」

「はい、午前中に教えてもらったので森で試していたんです」

ジェシカさんは、驚いていたがすぐに表情を戻して


「では、ここに出してもらえますか?

確か、買取依頼があったのは『ボアの毛皮』と『フォレストウルフの毛皮』でしたね」

「わかりました」


俺は、3体の『ボアの毛皮』と

8体の『フォレストウルフの毛皮』を机の上に置く。

「……え~と。この毛皮は、恭也さんが解体して?」


「ええ、上手に解体できているでしょ?」

ジェシカさんは、毛皮を眺めた後慌てて部屋を飛び出していった。


しばらくして、解体所のおじさんを連れて戻ってきた。

「どうしたジェシカ、大慌てで来てくれって…」

「この毛皮を見てもらえますか?」


ジェシカさんに促されるように、毛皮を手に取り驚いていた。

「……これ、お前さんが解体したのか?」

俺を睨むように聞いてくるおじさんに、笑顔で答える。


「ええ、習ったとおりでしょ?」

「確かに教えたとおりだ……しかもそれ以上の出来だな…」

おじさんは、さらに毛皮を眺めながら


「これなら、『商人ギルド』へもっていっても買い手に困らないだろうぜ」

「すごいですね、恭也さん。解体のプロのお墨付きですよ」

「ありがとうございます」


「この品質なら、ギルドで買い取らせてもらいます」

「じゃあ、俺は解体所に戻るわ」

そう言って部屋から出て行くおじさんとジェシカさん。


そして、報奨金の入った袋を持って部屋に入ってくると

「では、『ボア』と『フォレストウルフ』の毛皮。

合わせて金貨1枚で買い取りますね」


「え、依頼書ではそれぞれ銀貨5枚でしょ?合わせても銀貨55枚のはず」

「恭也さん、これは付加価値というものが付いたおかげです」

「付加価値?」


ジェシカさんは大きく頷くと

「そうです、この毛皮はものすごくきれいに解体できている証拠です。

しかも、ノミなどの虫も一切ついていないし洗ったかのようなきれいさです。


これはすぐに加工することが可能ということ。すごいことなんですよ」

「それで付加価値がついての、値段なんですか」


ジェシカさんは笑顔で、金貨1枚の入った袋を渡してくれる。

「ではこちらが買い取り金です、お確かめください」

「ジェシカさん、ありがとうございます」


俺は金貨を受け取り、部屋を退出しようとしたとき声をかけられた。

「恭也さん、またこのような毛皮を手に入れたら持ってきてください。

必ず買い取りますので」


俺は、「わかりました」と告げて部屋を出て行く。

思いのほか高く売れたが、俺のアイテムボックス内には

魔物から解体で手に入れた『魔石』も存在する。迂闊に表には出せれないな…




家に帰ると、もう日は暮れていた。

明日は、家でのんびりと馬車の改造でもするかな~







ここまで、読んでいただいてありがとうございます。

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