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魔法使いのおじさん  作者: 光晴さん
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第1話 異世界へ

気分転換に書いた物語です。



俺の名前は、一条いちじょう 恭也きょうや 35歳のおじさんだ。


どうやら、コンビニの帰りにある高校の近くの通り道を歩いていた時、

異世界召喚に巻き込まれたみたいだ。

なぜ、そんなことがわかるか?


それは、俺の目の前にいる高校の先生や生徒たち。

さらに購買などで働いているおばさんや

購買にパンを配達に来たパン屋の配達員が、

鎧を着た兵士たちといろいろ話をしている光景を見ているからだ。


今回召喚された人数が、どうやらこの王国側からすると多すぎたようだ。

というか、多すぎだろ!なんだよ、780人って!

高校の敷地を覆うほどの召喚陣なんか使うからだ!


…でもこの人数では、

使えないスキル持ちや無能者は殺されるかもしれないな。


異世界召喚物の小説だと、能力の差でいじめとか起きるんだよな~

俺はこれだけの人数が召喚されたことに、冷静になれて皆を見ているが

どうも生徒たちだけじゃなくて、先生たちも浮かれているみたいだな。



俺が今いる状況を考えていると、2人の兵士が近づいてきた。

「すみません、ちょっといいですか?」


「あ、はい。何でしょうか?」

「今、皆様のステータスを聞いているのですが

あなたのステータスを聞いてもよろしいですか?」


人のステータスを聞く?

鑑定なんかの魔法や魔道具がないのかな?

「あの、『ステータス』って見せないといけないのですか?」


兵士2人は、俺の疑問に顔を見合わせ

再び、俺に向き合うと答えを教えてくれた。

「いえ、ステータスの内容ではなく称号を調べているんです」


「称号ですか?」

「ええ、先ほど少しだけあちらの騎士団長が大声で言っていましたが

この先、陛下にお目通りできるのは称号に『勇者』とある方のみ。


称号に『勇者』とない人は、

この王国の領土にある村や町で過ごしてもらうようにと」


もう1人の兵士が、続けて説明してくれる。

「むろん、村や町以外でもこの王国を出なければ

好きに過ごしてくださっていいのですよ。もちろん犯罪以外でね」


「なるほど、っと称号でしたね」

俺は、頭の中で『ステータスオープン』と念じる。

すると、頭の中に俺のステータスが表示される。


名前 一条 恭也  35歳

職業  魔法使い

レベル 50

生命力 23500

魔力  9000000

攻撃力 物理 150

    魔法 9000

防御力 物理 6000

    魔法 6000

スキル 異世界言語 魔道の神

称号  異世界人


俺はその表示されたステータスを見ながら、兵士たちに答える。

「ん~、称号には『異世界人』としかないですね」

「そうですか…」


「では、表示されている職業を教えてもらえますか?」

「えっと、職業は『魔法使い』ですね」

「なるほど、これで350人目ぐらいかな…」


俺は、兵士たちで話しながら確認し合っている中で

気になる数字があったので聞いてみた。

「あの、350人って?」


「ああ、今までの称号の確認で『勇者』以外の人は

職業別に行く場所を分けているんですよ。

それで、その中の職業が『魔法使い』って人が350人ぐらいいるということで…」


「それって、多いんですか?」

「そうですね、多いですね。『剣士』『戦士』『魔法使い』『僧侶』とありまして

変わったところでは、『忍者』『侍』……


そうそう、『ゴーレム使い』なんてのもありましたね」

「へえ~」

「でも先輩、一番珍しかったって言えばあの人の…」


「ああ、あの人の『仙人』だったな」

「何ですか?その『仙人』って」

兵士の2人は、俺の方に笑顔で説明してくれる。


「『仙人』って職業は、環境魔法使い。

あなたに分かりやすく言うと、天候魔法かな?それを使える人のことですよ」

「実は農家が多いところでは、すごく頼りにされる職業なんですよ」


「へえ~」

『仙人』ってそんなに頼りにされるのに、珍しい職業なのか…

「めったに表れない職業なんですよね…」


「でも、天候を操れるのなら仕方ないことじゃないですか?

天候1つで国が滅んじゃうこともあるんでしょ?」

「そうなんですよ。だから『仙人』って職業の人は、王族預かりとなり


秘書が1人ついて、管理されるんですよね~」

ということは、その職業の異世界人はこの国で管理されるのか…

「でも男なら美人秘書が、身の回りのお世話をしてくれるから得かもしれないですよね」


「自由はないけどな…」

うわ、兵士の2人が遠くを見てる。

これはアレだな、飼い殺しにされている異世界人を想像しているんだな…



「そういえば、『勇者』は何人いたんですか?」

「ん?『勇者』か?」

兵士の1人が、手に持っていた金属板を操作して教えてくれた。


「『勇者』の称号持ちは、今のところ15人ですね」

「そんなにいるんですね…」

兵士たちは、俺たちの周りを見回しながら少し呆れた表情で


「これだけ、異世界人がいればね…」

「ですね」

「…先輩、そろそろ次に行かないと怒られますよ」


「そうだな…では、私たちはこれで」

「あとで、職業で呼ばれますので指示された場所に行ってください」

「わかりました」


俺と兵士2人は、お互いに会釈をして別れる。

兵士たちは次の異世界人のもとへ、

俺は再びみんなを見渡して、これからのことを考えていた。






読んでいただいてありがとうございます。


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