まず、一歩
おはよう。
さっき
「行ってきます。」
と言っておいてなんだが、まずは朝飯を食べて顔を洗おう。
今日は菓子パンじゃないぞ。スクランブルエッグだ。オレの得意料理の1つである。と言っても、卵料理なら基本大抵得意料理なのだが。
特にオムライスはお金を取れるレベルだと思う。
豆知識としては、卵を焼くとき、半熟のまま卵をまとめて形を整えると、ふわトロ感を演出できる。あと、フライパンに中火でバターを引いておくと更にいい。
以上、簡単オムライス!ひと手間でおいしく!の講座でした(オレ流)。
おっと、オムライスの話をしてしまったな。
スクランブルエッグの話に戻そう。スクランブルエッグは、フライパンを熱くし過ぎず、ゆっくりかき混ぜた方が美味しくなる。あと、マヨネーズや牛乳を入れるのもアリだ。
まぁ、1番大事なのは愛情です。皆さんも是非。
我ながら良い出来のスクランブルエッグでした。
ご馳走様。
そんなこんなで朝飯を食べ終えたので、顔を洗うとしよう。リビングと洗面所が遠いから、今みたいな寒い時期は辛いんだよな。足が冷える。低血圧なのかな?
軽く蛇口をひねる。
冷たい水が出る。
オレは寒い時期でも顔を洗うときは冷たい水で洗う。その方がさっぱりした気分になれる気がする。
バシャバシャ。
鏡を見るとまぁ当たり前だが、そこにはオレの顔が写っていた。
………デジャヴとか言うな。
あの時と似て、虚ろで無機質な目だった。
だったのだが、その目は確かに生きていた。
生きていると実感出来て満足したオレは顔を拭いて、洗面所を出る。
「今日、雨降るかな?」
唐突に、流れるようにその言葉が出た。
カッパは持っていくつもりだが、傘はどうする?持って行った方がいいのかな?
『一応傘持って行くか。』
なぜだか、1人なのに、言葉を発した。独り言を言うつもりはなかったのだが、…まぁいいか。
オレはこの家を見る。16年間過ごしたこの家を。
多分だが、長い時間帰る事はないので見納めみたいなものだろうから…
大丈夫、ちゃんと目に焼き付けた。
「行ってきます、っと。」
そう言い残すという事は、帰って来るという事。そういう意味を込めてオレは玄関の扉を開ける。太陽の眩しい光が玄関に差し込む。
これはオレの、オレだけの物語。
まずは一歩目を踏み出そう。
じゃないと始まらないから。
どうもですです。くらげです。
オムライスやスクランブルエッグの作り方は少し前に自分で作るために色々調べたやつです。
自分はあまり上手く作れません。