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6.



崩落する世界から脱出してきた私は急いでパルナを確認する。身体に魔力が伝わっているから戻って来てはいるようだね…ただ、私の魔法を簡単に破るなんて–––––


「クロ、どうだった?」

「っわ⁉︎……なんだメクかー」

「なんだとはなんだ」

「まあまあ、それよりどうだったの?」


いつの間にか接近していた2人に説明をするために一旦別の部屋へ移動する。…今から話す内容は聞かれない方がいいものだからね

人払いと盗聴対策の結界をしてから本題に入る。まず、パルナに私の魔法が効かない…いえ、無効化された事を伝える。この事に2人とも驚いたが無効化されるパターンは2つある。1つ目は魔法を正面から壊していく力任せの方法。2つ目は世界の差から崩していく方法。前者は、魔法を飽和させるほどの魔力を持っている者であるという事が条件となり、後者では世界の差を見つけ、そこを突く集中力が必要となる。今回パルナが行ったのは後者だけど私のレベルは並の魔道士では見破れない程だと自負している。つまり、パルナは魔道士としての才能がかなり高いと思われる。そう説明すると2人は暫く呆けていたが、顔をひきしめてこちらを見直す。…年来の親友だから私の言いたい事もある程度理解しているのだろう


「今言った通りパルナには魔道士になる才能があるの。そこで私g「だが断る!」…モナ、せめて全部言わせてからにしようか?」

「あのね?違うの。誰かに言えって言われた(気がした)の…《ペシッ》あぅっ」

「なに訳わからないこと言い出すのかね。クロ、続き」

「えと、娘さんを私にください?《ゴスッ》イテッ…なんか違くないっ⁉︎「ァン⁉︎」ひっ⁉︎ごめんなさい冗談です。反省してます。だからそんな目で私を見つめないで…」




ブチッ –––––––



♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢



「なるほど、クロが引き取って学園で育てるってことか」

「…グスッ…うん。学園ならパルナになにかあった時に私が対応できるからね」

「でもパルナは喋ることができないし、まだ0歳なんだよ?」

「0歳でも話を理解できているようなら問題ないし、パルナが入るのは私が受け持つクラスにするから。」

「クロの?あなたが教えるの?」

「うん、今年からね。今年は色々な事情を持つ生徒が入学する予定だからねぇ。立場的なものも関係して教頭である私が教鞭をとることになったの。『このクラスで起こることは国際的なものにもかかわりかねない。学園長である私が受け持っても良かったのだがね、様々な事情によりそれが出来なくなって、ならば、教師としての腕も学園第2(ナンバー2)という立場も充分備わっている君なら任せられる。ということになったのだよ。私の分まで頼んだよ?』なんて戯言をぬかしたあのハゲッ‼︎」

「ハイハイ、愚痴はいいから。でもパルナが入るには尚更難しくないか?」

「クラスでは一応身分を持ち出さないという事になっているし、こう言ったらなんだけどウチに入るって事は公には出来ない多少の訳ありの“変わった”生徒でもあるからね。心配してるような事にはならないと思う。もっとも、その前に当の本人に行くか行かないか聞かないとだけどね」


そろそろパルナも起きてるだろうから戻って話を聞いてみようかという事になってパルナが眠っている医務室へ移動する事になった。




♢♢♢♦︎♢♢♢


−メクス−


「あら、起きてたの。まあ、それにしてもたいしたものよ私の幻術を破るなんて」

「……(パクパク)」

「これは現実だから声は出ないのね」


パルナが眠っている医務室の扉を開けた時すでにパルナは起きていたようでクロが話しかけると警戒した目で口をパクパクさせた。…もしかしたら、パルナはもともと喋ることができるのかもしれない。第一に声を出そうとするのはそれに慣れているからだろう。…まさかパルナは転生者なのか?過去の転生者と云われる者たちは幼い頃から神童・麒麟児と称されるほど成長が早かったり、特異なスキル・称号持ちだという。そういえばパルナの称号の欄に《迷い人》というものがあった。《転生者》であり《迷い人》…つまり、《生と死を繰り返すナニカに迷い込んだ者》なのだろうか?…であるならば ––––– いや、まだそうと決まったわけではない。あくまで可能性の話なのだ

…などと思考にとらわれている間にクロがパルナのベッドへ近づき向かい合っていた。なぜかいきなり身震いしたパルナを見てクロを注意する。あからさま過ぎたのか、パルナの感覚が鋭い為なのか、どちらにしろ調べる事は出来たらしい。


「パルナが怯えているでしょう!「イテッ」…まったく」

「まあまあ、何か分かったんでしょ?クロン?」

「ええ、この子は魔法に耐性があるから多分魔法が使える様になるね。そして私の幻術を受けている時の思考はかなり冷静だった。鑑定晶で表示された年齢ってのは内面の、精神的なものとは関係ないんだと思うね。正直とても興味深い…ちょっと失礼するよ」


そう言うとクロは再び––––


って⁉︎なにキスしてるのっ⁉︎目的が何か分からないけど後ろ襟を掴んで慌てて引き剥がす。パルナは何が起こったか理解出来ないでぼーぅ、として上の空な状態だった。


「…ナニしてんのかな?」

「ち、違うのよっ!体内の魔力を呼び起こせるかなって思ってヤッただけだから!…別に美味しそうとか意外と柔らかいなとか思ったりしてないんだからっ!」

「…そう。あ・く・ま・で・魔力を呼び起こすためだと?」

「…え、ええ。そ、そうよ」


…はぁ。まったくこの正直者が…嘘をつくときは言葉遣いがおかしくなってわかりやすいって教えたの忘れたのか?モナも苦笑してるし…

まぁ実際魔力が動き出した様だから良かったけど…さっきからパルナが動かないのは気になる。クロが言うには魔力が身体に流れ始めて意識がそちらに向かっているからかも、という意見で特に異常などではないだろうとのこと。そこで私が先程考えついた可能性の話をする。


「…なるほど《転生者》か。奇人種の半分は前世の記憶持ちとされているし、それに学園でも問題ない。パルナの前世の高い能力が今世に現れている様だから学園生活面での心配も減るだろうね。」

「そういえば寮はどうするの?さすがにここから通えるわけでは無いし?」

「一応、寮監の先生に面倒を見てもらうことにしようと思うけど…やっぱり入るのは「女子寮で!」だろうね。そちらなら私も顔を出しやすいし」

「じゃあいつからパルナは学園に行くの?」

「来月から新学期が始まるからね…準備は向こうでしたほうが良いだろうから、できるだけ早い方が良いかな」


その言葉に反応した様に、いつからかこちらの話に聞き耳を立てていたパルナがモナの顔を見つめる。その瞳には不安、驚き、興奮が浮かんでいた。本人は学園に行くのに賛成的な様だ。モナもそれに気づいたのか困ったように眉を下げて見つめている。


「…パルナは学園行きたいの?」

「…(コクコク)」

「…はぁ…パルナが行きたいのなら私は構わないけど、子どもたちとあいさつしていって欲しいし、準備の問題とかも…」

「…ハッ!…なら明日私と一緒に帰ればいい。準備もやりやすいし」

「…あんたは今日帰りたくないだけでしょう?」


結局その日はモナ、パルナ、クロントの3人で孤児院に帰り、次の日にクロ、パルナで学園都市へと旅立った






キャラがブレてるって?

––––未だ決まってないからな!



こんなもんです

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