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ミルクとコーヒーと私  作者: ねこへび
ミルクとの出会い
1/1

出会い

「うっ…届かない…」





前崎 莉緒 (マエザキ リオ)、

ただいま本と格闘中。



図書室に、夏休み用の本を借りに来たんだけど…


棚の上にある、あの本が届かないっ!!






「背が小ちゃいって…なんて不憫…」



「これ?」



「っほぇ!?」






突如上から降ってきた声に、

思わずすっとんきょうな声が出る。


そこに立っていたのは、同い年くらいの男の人だった。


学校の制服を着ているから、私と同じ学校生徒であることは間違いない。けど…


…会った記憶はない。







「…ゾンビ特集?」




「え?」






その人が持っているのは、私がまさに取ろうとしていた…


…あ、







「ぁぁぁあ!!!ち、違いますよ!!

ゾンビなんか見ませんっ!!


私が取ろうとしてたのは、えと…」








誤魔化そうと辺りを見回すけど、

そこはゾンビなどの本が置かれているコーナーで、


一面グロテスクな絵柄が並んでいるだけだった。








「こういうの…好きなんだ?」




「いや…その、あっ!友達!

友達に借りてきてって言われて!!」




「いいこと思いついた!!って顔に出てるよ


面白いね、君」







クスクスと笑うその人は、

よく見ると…いや、よく見なくてもかっこいい。


多分、クラスに居たら確実にモテるだろう。


同い年…なのかな。見たことないけど…








「…みんなには、黙っててください」




「えー?どうして?

ゾンビ好きって、そんなおかしい?」




「…い、いじめられたことがあるんです。

ゾンビ好きって知った一人が、『きもちわりー』って言ってきて…


その一言で、みんな次々と手のひらを返していった。


…あんなことは、もう、嫌なんです。」








初対面の人に、なに話してんだ…私。


その人は、少し思い詰めたような顔をして

でもすぐ笑顔になった。







「じゃあ、もしそうなったら


俺が守るよ」




「え…?」








どういう意味か、よくわからなくて

聞き返そうとした。


でも、頭が展開に追いつかなくて


その人は私の頭をぽんっと軽くたたくと

図書室から出ていってしまった。

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