ドキドキッ☆生徒会室 (1)
早いことに、もう一月も半ばです。いまだに行きたい高校は見つからない。朝日奈は中高一貫校なのでエレベーター式で何も悩まずに高等部に進めばいい。もっと勉強したいひとは進学率の高い学校に行くだけ。しかし、私の悩んでいる理由はそれではない。このまま朝日奈の高等部に進んだら攻略対象たちと絶対なんかの繋がりをもってしまう!絶対に行きたくない。桜丘の高等部にでも行こうか。鏡夜もいることだし。
「はあ…」
「どうしましたの?今日はいつもに増してため息が多いですわよ」
「高校のことでちょっと…」
「あら。何も心配しなくてもエレベーター式で高等部までいけるのでなにも心配しなくても」
この学校の高等部に行くこと自体が心配なのよと言えるわけがなく、笑ってその話は流した。
「そういえば!雲雀、今日お弁当持ってきた?」
「今日は学食にしようと思って持って来てないよ」
じゃあ、と言って撫子はカバンの中から大きな重箱出した。
「今日は貴女のために私1人でお弁当を作ったの!一緒に食べましょう?」
撫子がぱかっと重箱の蓋を開けて私に見せた。とてもおしいそうだが、その弁当はお正月に食べるお節にとてもよく似ていた。私が目を見開いて驚いていると、「私が初めて貴女のために作ったお弁当なのでお節にしてみましたの〜!」と満面の笑みで言った。とにかく、学食代が浮くのでありがたいことには変わりなし。
彼女は用意周到で私分の箸も持って来ていてくれた。いただきますといって、大好きな伊達巻を取ると放送がかかった。
『3年A組32番の早乙女雲雀ちゃーん!至急高等部生徒会室まで来てねー!』
そして放送は切られた。もう、有栖川先輩なにふざけてるの!お昼ごはんの時に生徒会室へ呼び出しだなんて!……え?生徒会室へ呼び出し…?。もしかして、早乙女雲雀って呼んだ!?やめてよね!ブッチしてもいいかしら?
「お前放送聞いてなかったのか?高等部の先輩のお呼びだぞ?あーもしかして先輩殴って怖くていけねえってか?」
「私は篠崎君みたいに喧嘩なんてしないわよ!」
「そうよ!なんなのお兄様ったら!雲雀、私もついて行くわ。お兄様に文句をいいにくわ!」
私とのお昼を邪魔されただけで大好きなお兄様に文句をいいにいくなんて凄いわね。
「篠崎君もいくのよ!」
「はあ?なんで俺も!?」
「雲雀の命令は絶対よ篠崎さん」
この間生徒会室へいく時は私が篠崎君を引っ張って行ったが今回は私が篠崎君の腕を掴み引っ張ってゆく。最初は離せ!離せ!と暴れていたが、撫子に怖い顔で睨まれ諦めた。
「ねえ、撫子。私って生徒会に呼ばれるようなことしたかしら?」
「私がいないところでは知らないけど多分してないと思うわよ」
「どうせ飯一緒に食べようとかじゃね?」
篠崎君のいうこともありえるかもしれない。あの人達ならそういうこともあり得る。
生徒会室の前で有栖川先輩が立っていた。
私達が近づくと手を振って急いで急いで!と言った。
「君達は…ああ!こないだの喧嘩少年とけーちゃんの妹ちゃんじゃないか!とにかく君達もはいって!」
やはりけーちゃんと呼ぶのか。
有栖川先輩に急かされ私達は生徒会室に入った。
長くなるので1と2で分ける予定です。1がけっこう短くなってしまいましたw