表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/16

これはきっと夢だ

 乙女ゲームは好きだ。大好きだ。

ゲームの中の攻略対象たちは現実の私を知らないから最初は冷たくあたる人もいるけれど物語ストーリー が進むにつれ彼らは私に優しく愛を囁いてくれる。

 はっきり言って私は同級生から嫌われている。オタクだから気持ち悪い。外見が不細工だからということではない。性格が問題なのだ。私は父譲りの性格で理屈でモノを話してしまう癖がある。小中学校の頃は私が理屈で話をすると皆は少し嫌な顔をしただけでなにもなかった。しかし高校にあがってからというものの誰も私に話しかけなくなってきた。いじめや無視はされないが皆極力私を避けようとしているみたいだ。私は人と関わるのがあまり好きではないのでそれはそれでよかった。

 この頃は『モモイロスクールライフ』というまあ、名前はあれだがけっこう面白いゲームにはまっていた。このゲームは容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群な主人公 早乙女桜花(さおとめおうか ) が男だらけの生徒会で生徒会長になってしまったという流れのゲームだ。

 今まで攻略してきた乙女ゲームの中でこのゲームはダントツに面白い。この世界に行ってみたいと何度も思った。絶対にいけないのだから願うだけ。願うだけだったのに。

 

 しかしまあなんということであろう。私はちゃんと自分の部屋に行ってベッドに入って寝たはず。そして、朝になって起きた。私の部屋は黄緑色をベースとした部屋だった。しかしこの部屋は周りを見回しても白白白。白ばかりだった。私が寝ているうちに改装工事でもしたのだろうか?いやいやいや、それはない。もしかして誘拐!?いや、それも絶対無い。私みたいな平凡な女子高生を誘拐するやつなんていないだろう。もういろいろ考えすぎて思考回路がぐちゃぐちゃだ。…少しだけ眠ろう。そう思い再びベッドに入ろうとした瞬間


雲雀ひばり起きなさい! あなた今日から三学期でしょ!もう受験生なんだからしっかりとしなさい!」


部屋のドアを勢いよく開けて入ってきた人物は輝かしいウェーブのかかった金髪にスカイブルーの瞳。アニメやゲームの中だけに出てきそうなその容貌は本当にゲームの中の…


「…桜花…!?」

「こらっ!お姉ちゃんを呼び捨てにしてはだめでしょ!」


 桜花!?なんで!なんで桜花がここにいるの!これは夢?それとも現実?いいや。きっと夢だ。

 冷静に考えよう。これは夢だ。とゆうか、桜花が私の姉?たしかゲームの設定では桜花に妹はいなかったはず。まてよ?もし仮に桜花が私の姉だとすると桜花と私は血が繋がっている。とゆうことは…!

 私は急いで飛び起き机の上においてあった手鏡を手に取り私の顔を確認する。そこにいたのは現実の黒髪で少し明るい茶色の瞳の私ではなく、ストレートの銀髪に桜花と同じのスカイブルー瞳。桜花には一歩及ばないがそれなりに美少女だ。…まったく知らない人がそこにいた。 

 

「雲雀、さあ早く着替えて!朝ご飯食べるわよ」

「あ…はい」


 気力で負けました。桜花はクローゼットをがっと開けて制服がかけてあるハンガーをとって私に渡してきた。とにかくここは彼女の言うことを聞いておいたほうがいいだろう。

 私が着替え始めたら彼女は部屋から出て行った。 

 これは夢。これは夢。現実の私はゲームの棚がある部屋で寝ているはず。そう言い聞かせながら着替えて、桜花お姉ちゃんが待つリビングへと向かった。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ